OpenTTD発展例

OpenTTD事業構築

OpenTTDを自分が遊んでいる中で、様々な事業に手がけなくてもこれだけやっていれば割と十分に満足して遊べるのではないかという、4つの事業の構築手順を解説していく。 これの前提として、JapanSet等の各NewGRFを導入していることや一部設定を都合が良いように変更してあること。(詳細)→https://aourkbd.net/hasei/openttd.html
また、マップサイズは大きめのもの。スタートは1920年頃、保有できる列車数も上限くらいまで増やしてあることなども前提にした解説である。

石炭輸送

概要

OpenTTDをたとえば1920年頃にスタートして、初期からずっと安定した収益を得られる事業が石炭輸送である。開始当初から事業構築をして収益・資金を増やしていくためにはこの事業から手がけるべきである。

事業化の見極めと計画

産炭量の多い炭鉱から手がけるべきである。産業一覧のリストを表示させて炭鉱を選ぶ。月産100トン以上が目安である。
炭鉱を選んだら、それを搬入する発電所を探して搬入先を決める。初期は、構築資金に余裕がないので炭鉱から100ブロック程度の距離にある発電所で良い。後で資金が潤沢になったら、あるいは資金が十分にある状態では、250ブロック程度(FHD解像度のモニターにウィンドウを最大化表示、マップを最小表示して、画面から見きれる程度)の距離にある発電所が良い。これ以上になると時間とコストが嵩んで十分な収益に繋がらない。これは後述の石油輸送に関しても同じである。

整備

産炭量は変化する。炭鉱は閉山することもあるので、事業化を決めたらできるだけ早くルート整備を行うべきである。一方で、採掘を何十年も継続していたら産炭量が次第に増えていくことも少なくない。
炭鉱隣接の駅、発電所隣接の駅を構築し、そこを線路で結ぶが、発電所は産業施設であっても消滅することがないので、炭鉱と異なりその点の心配はしなくて良い。駅は、自分としては5ブロック長あれば十分と思える。あとで駅を拡張するのは場合により困難であったりするので、最初から5ブロックで作っておいて、資金あるいは産炭量に応じてそれより短い編成を運行し、後で編成を長くすることでも良いような気がする。
炭鉱駅は基本的には終端駅だが、折り返さずに入庫できる位置に車庫を構築しておくのが効率が良い。駅のホームに列車があってもホームを経由せずに直接入庫できるような線路配置が望ましい。
線路の種類は様々あるが、初期は80km/hの非電化路線で良い。将来を見越して130km/hの路線でも良い。旅客列車も同じ路線に運行するようなことを計画するなら、最初から電化線でも良いが、自分は炭鉱輸送路線など産業輸送はその輸送だけの専用線にするのを基本にするので、非電化130km/hの線路とすることにしている。
構築の費用を考えると最初は単線でも良いが、複数列車行き違いの場所を設けたりする手間、後から複線化も面倒なので、最初から複線で構築するほうが良い。信号(パス信号)の設置も複線の方がわかりやすい。
車両や整備できる線路の登場に応じて変更工事をしていくのも良いが、電化作業は結構大変(電化漏れのブロックがあると、その場所を特定するのに時間がかかるなど)であったりするので、最初から決めてその種類にしておくほうが効率は良い。

  1. 炭鉱と発電所を決める。
  2. 炭鉱駅を設置する。
  3. 線路を整備する。
  4. 発電所駅を設置する。
  5. 列車を組成する。
  6. 運行を開始する。

車両と運行

機関車と、石炭輸送ができる貨車で編成を構築するが、初期は貨車の速度が十分なものがない。最高速度と対応できる妥当な機関車を組み合わせ、その後の登場によりグレードアップしていく。それでも後年、石炭を輸送できる貨車は110km/hが最高になるので、機関車もそれに合わせる。
編成を構築したら、炭鉱の駅では満載。発電所で全て荷下ろしという基本で、目的地間は直行させる。途中に駅は構築しないと思うが、各駅停車にはしない。車庫発炭鉱駅、発電所、車庫着という順の指令を設定して運行を開始する。
最初の列車が発電所で荷下ろしして、炭鉱駅に戻ってくるまで、産炭状況を見ながら、列車を複製してなるべく産炭の無駄が生じないように列車数を増やしながら運行していく。ダイヤの調整機能で一定間隔に列車を走らせるやり方は、中々上手くいかない。

鉄道旅客運送

概要

OpenTTDで鉄道を構築する目的の多くが、旅客列車の運行であろうと思うが、産業輸送より難しい面がある。駅が設置できる場所が限られ、乗客確保が難しい。都市が発展していくのは2000年以降なので、それ以前に十分な収益を上げる路線構築は難しい。

事業化の見極めと計画

現実の鉄道であれば、始発と終点駅を定め、そこを路線で結びながら中間駅を構築していくのが普通であるが、OpenTTDの輸送の仕組みは発地と着地の2点間輸送が基本。駅に停車したらそこで荷物も乗客も全て降ろす。下ろさない指令も可能だが、全て下ろすか全て下ろさないかという選択になり、中間駅の乗客・荷役の取り扱いはあまり現実に即していない。
そういう点から考えて、収益を得ることを基本にするなら、始発地と到着地の2駅だけを結ぶ路線を、上記の石炭輸送の例も参考にしながら構築するのが手っ取り早いのだが、それだと面白くない。大きめのマップで長距離路線を構築するのがOpenTTDをする楽しみの一つであると思うので、これには少しの要件を考慮する。
まず、駅間距離を一定以上確保する。在来線は100ブロック程度、新幹線は200ブロック程度を基本にする。駅間距離が長いと少ない乗客でも一定の収益が得られる。上記のとおり、次の駅で全て乗客も荷物も降りてしまうので、駅間距離が短いと、いくら前の駅で満載であっても、収益につながらない。
また、駅を設置するのはできるだけ都市に限るべきで、駅の位置もなるべく市街地中心部に近い位置にする。乗客数を確保するのは都市のほうが容易く、市街地に近い方が集客もスムーズなので、駅設置の際に駅の集客範囲を見ながら、立地場所を定めるべきである。次の駅、前の駅からスムーズに路線を引き込める位置にすることも基本的な要件である。

整備

駅の設置は、駅間の線路を構築するより先に場所を決めて設置する。線路を敷きながら行き着いた場所に設置したり、街の土地などに手を加えたりした後だと、都市や集落の議会の反対で駅の設置ができない場合があるからである。議会の反対、すなわち都市からの評価を回復するには時間がかかり、有効な対策がないので、反対が起きる前にまず駅を設置してしまい、そこを拠点にして線路を構築していくほうが良い。
これは、産業輸送の場合でも同様であるが、産業輸送の拠点はたいてい集落から離れた場所にあったりするので、このリスクは少ない。
自分は在来線は4ブロックの駅、新幹線は6ブロックの駅としている。列車長を長くできる方が、1列車の乗客も多くなるので、その分収益に繋がる。

  1. 路線整備、整備規格を検討して計画する。
  2. 始発、終点、中間駅を設置する。
  3. 線路を整備する。
  4. 列車を組成する。
  5. 運行を開始する。

運行

列車は、乗客も輸送するが郵便荷物のことも考えた方が良い。混合列車として、乗客と郵便を同時に輸送できる列車にするのが効率が良い。郵便輸送もそれなりに大きな収益に繋がる。自分は乗客を乗せる車両と郵便荷物を運送する車両の割合を概ね3:2くらいになるような列車編成として、これの編成を増やして運行していく。
編成を増やす割合は、石炭輸送の場合同様で、始発駅、あるいは全部積載する駅の乗客の増え方を見ながら編成を構築して運行を開始していくのである。

海上油田石油輸送チェーン

概要

温帯マップにおいては、産業輸送の中心と考えて良いのが海上油田から陸揚げした原油を製油所に輸送、製油所から商品を都市に輸送するチェーンの構築である。この事業は様々な要素を複合して考えていく必要がある。

事業化の見極めと計画

油田は1960年から海上に出現する。それ以前に陸上油井があるが、60年頃までには全て消えるので手がけないほうが利口である。水域に出現した油田は、産油量を見て、手がけるか否かを決めて良い。産油量が少ない油田があっても水域全体で月産20万リットル以上くらいあれば、事業として成り立つ。単体で3万リットル以下の油田は消滅する可能性も高いので、手がけないという選択でも良い。
油田からの輸送は船舶、タンカーで行う。タンカーを着岸させる埠頭、タンカーの基地となる造船所、埠頭には駅を設置して、そこから列車で適度な距離の製油所へ輸送し、製油所からまた適度な距離の都市へ、商品を輸送する。

整備

油田事業には、タンカーによる埠頭への輸送、列車による製油所への輸送、同じく列車による都市への商品輸送という3つのチェーンが必要である。構築の順序としてはこの順であるが、油田と製油所は消滅することがある。特に製油所は、仮に列車での輸送ルートを構築して運行開始した後でも、最初の搬入が行われるまでに、長期間石油の搬入がないと消滅する場合があるので、拠点を決めたらなるべく早くルートを構築し、運行も開始する必要がある。自分も何度も、そういう搬入直前の製油所消失に遭っている。
タンカーは、造船所発、採掘油田で全積載、埠頭で積み下ろし、造船所に戻るというサイクルの指令にする。埠頭は基本的に石油を受け入れない場所に構築する。沿岸の製油所範囲に埠頭を構築すると駅の列車に石油の供給ができなくなるので、駅構築後は製油所が建設されないよう駅の範囲に道路などを柵代わりに整備しておく。
石油を受け入れない場所に埠頭と駅を構築するのでそこでは転送収益しかなく、その分の本収益はその後の列車輸送で製油所へ搬送した場合に得られることになる。
タンカー輸送の石油は埠頭駅に溜まっていくので、その蓄積量を見ながら、それを残さないように列車数を増やして製油所へ輸送する。
自分は、鉄道駅は5ブロック長にして、陸揚げ予想する石油の量に応じて2ホームから4ホーム程度の規模にする。製油所に関しても、発地の駅と同規模にするのが基本であるが、商品輸送の列車待機のホームのことも考慮する必要がある。

  1. 油田状況を見て輸送ルート計画を決める。
  2. 搬入製油所と商品輸送先の都市を決める。
  3. 埠頭の位置を決め埠頭と駅を設置する。
  4. 製油所方向に線路を設置していく。
  5. 線路整備地点が製油所に近づいたら、タンカーを購入して採掘を開始する。
  6. 製油所駅を整備する。
  7. 石油輸送列車を組成する。
  8. 石油輸送運行を開始する。
  9. 商品輸送ルートを構築する。
  10. 商品輸送列車を組成する。
  11. 商品輸送運行を開始する。

運行

油田からの輸送タンカーは、1油田につき1隻が基本だが、産油量が多い油田には複数の船で対応しても良い。
列車は、機関車にタンク車を連結して編成を構築するが、これも石炭同様に110km/hが最高速度となるので、路線は130km/h運転が出来る線路にすべき。商品輸送列車も、同じ速度で運行できる車両が、線路の混雑緩和のために重要である。

航空網の形成

概要

航空機は登場後の大型機なら高速で長距離を移動し、(だがマップ上では新幹線より遅い)1運行で大きな収益が見込めること、適切な位置に空港を建設するだけなので鉄道より建設費が安く、運行管理も鉄道輸送に比べると楽なので、資金や条件が許せば航空網を形成することも推奨である。

事業化の見極めと計画

基本的に大都市に隣接して空港を建設するが、就航させる機材の航続距離に応じて空港を建設すべきである。とはいえB747など長距離機でも1000ブロック程度なので、長大マップでは端から端へ一気に飛行できる航空機は、ほとんどない。900~1000程度の距離に空港を建設するとそういう長距離大型機を就航させられる。また、空港も都市型の大型空港以上で全ての機材を運航できるので、それを基本にして適切な距離にある都市に空港を建設していくのである。

整備

航空網の整備は、上記のとおり空港を建設するだけである。これも、街の評価に左右される分があるので、建設可能な土地を見つけたらすぐに建設して周りの整備はその後にすべきである。
滑走路の延長上などは道路を2ブロックほど引いて、滑走路端にビルが建たないようにするのが望ましい。そうしないと、ビルを突き抜けて航空機が離着陸してしまったりするからである。

  1. 空港を建設する。
  2. 航空機を購入する。
  3. 航空機を就航させる。

運行

空港は大きさにも応じて、比較的集客力が高い。始発空港の状況を見て、満載になる間隔で同じ路線に同じ機材を複数就航させ、適当なサイクルを作るのが良い。
航空機においても、郵便輸送は必要で、旅客便に混載される郵便だけでは足りないので郵便の専用便も旅客便と同じくらいの機数で就航させる必要がある。