AOUR - 習得テキスト

AOUR - 習得テキスト

AOURの説明のために作成していた「解説」「習得テキスト」「打鍵練習帳」の内容を整理して統合し、一つにした。(22/01/04)

以下は「和文入力をAOURで」の第2章「しっかり覚えるAOUR」部分から抜粋した。

AOURの習得の向き不向き

AOURを習得する人には向き不向きがある。
習得に向いているのは、既にローマ字入力を完全習得していて、ブラインドタッチもそれなりにできる人。習得による多少の弊害は承知の上で新たな入力方式に切り替え打鍵数を少なくしてみたいという人、Dvorak配列ベースの行段系方式をATOKで使ってみたいという人が対象になる。

一方、全く初めてキーボードで和文入力を習得しようとするようなパソコンの初心者の人にはお勧めできない。一般的なローマ字入力を先に習得するほうが、周りに教えてもらえる人がいたり、余計なカスタマイズや設定変更もしなくても済むし混同のおそれもないなど、様々な点で利点が多いと思うからである。
ただし、仮に全く初めての状態から習得してもローマ字入力よりAOURのほうが習得は速い面もあると思っている。

ブラインドタッチとAOUR

AOURを習得するには、ブラインドタッチは出来たほうが良い。もしそれが出来ない人も、この機に合わせて習得すべきだ。AOURは、普通のQWERTY配列キーボードで使うことになるが、キー上面の刻印と定義の音との関係が全くないので、キー名で覚えることは意味がない。ここでは説明の都合上、どのキーかを示す為にキー名を使うが、キーの位置と指の動きでで覚えるべきと思う。(その場合は第三章に基づいた方が良いかも知れない)

習得にかかる期間

AOURの習得期間は個人差があって一概に言うことが出来ないが、予めブラインドタッチができる人のほうが、キーの位置・キーの刻印をあまり気にせず自然と指の動きで覚えることができるので、それなりに早く習得できると思う。
全く初めてAOURで日本語入力を覚えようとする人――いないと思うが――や、かな入力から切り替えようとする人よりも、ローマ字入力を既に習得している人のほうが早く覚えることができるだろうし、AZIK等の二重母音や撥音拡張の意味がわかっている人、その方式を使ったことがある人のほうが更に早いことも間違いない。ACTやDvorakJPなど、他の類似方式を使ったことがある人であれば最も早く習得が可能と思われる。

自分の場合の例で言うと、AZIKでのローマ字入力を数年続けていた状態、ブラインドタッチは完全にできる状態で、基本的な定義を覚えるのに1~2日、1日につき1~2時間の練習として、何とか使えるようになるまで1週間、実用できると感じる段階になるには更に1週間を要した。その辺りで完全にローマ字入力からは切り替えてしまって、2ヶ月から3ヶ月で、多少の速度向上停滞時期もあったものの、4ヶ月も経てばそれなりに高速での入力が実感できるようになった。
ただ、これ自体自分で考案した部分があって、他人より条件が良いという事情は差し引いて考えるべきだろう。

入力方式を切り替えるからには、作業の能率が一時的に落ちるのも間違いない。仕事でも使おうとしている場合は、自宅でAOURを十分に習得してから実践段階に移行するほうが良い。

AOURの使用による弊害

AOURに限らないと思うが、使い慣れたローマ字入力から別の入力方式に切り替えた場合には弊害もあることを予め承知しておかなければならない。

混同

AOURの習得中や習得してすぐに、それまで使っていたローマ字入力との混同は少なからず発生する。特にAOURでは英数字入力時は通常のQWERTY配列なので、今どっちの方式で入力すべきかという混乱が起きやすい。
しかしそれも、AOURをずっと使うことでやがて生じなくなる。自分も今はほとんど混同はなく両方式を使い分けられるが、たまに違う環境で通常のローマ字入力をしばらく使うときや、戻ってAOUR使うときになお起こることががあるのも事実だ。

他のパソコンも使うとき

これと関連し、AOURに設定してある自分のパソコン以外に他人のパソコンを使う機会があるときも同様に混同は生じる。十分にAOURを習得した後では他人のパソコンのローマ字入力のもどかしさを感じる。
逆に自分のパソコンを人に触らせる場合にも注意が必要である。触る人はAOURなど出来ないし、AOURに設定されていることも知らないので、和文入力をした途端混乱に陥る。一時的に通常のローマ字入力に戻しておいたり、和文入力の必要が生じたら替わってもらうなどの配慮が必要である。