AOUR入力の習得経過

自分で習得中

独自考案の「AOUR」は、策定して1、2日というところだが、配列については、ほぼ覚えた。そもそもキーを見ても意味がないので、最初からタッチタイピングである。

入力の速度はまだキーボードを覚えたての初心者レベルで、少なくとも仕事に使える程度には至っていないが、こういうブログ書きなど、私用レベルでは問題なく使える。
それも、日に日に打鍵速度は向上しているので、本格的に習得したら、これまでのAZIK打鍵速度を超えられる……だろうか。

(2007/1/14)

AOUR配列その後

無論到底QWERTYローマ字やAZIK入力には及ばず、仕事で使うレベルには全く至らず、今は専ら自宅で使うのみである。
少しずつ速度は向上しているが、まだまだ実用的ではなく、キーボードを覚えたての時のような、入力のもどかしさとストレスを味わっている状態である。
本当に使えるようになるのだろうかという不安さえ出てきた。

従って、実のところ、まだこれが効率良い入力配列なのかどうかがわからない。

15年以上前、初めてキーボードを覚えた頃は、毎日何時間もずっと何かの入力をしていて、それで1週間ほど経ってようやく、ある程度使えるようになってきた。
今回この配列を覚えるのは、ほぼそれと同じくらいか、あるいはそれ以上の時間を要するかもしれないと予測している。

意外なことは、画面を見ない方が無心で高速に入力出来る感じである点と、あとこれは基本なのだろうが、1回1回ホームポジションに指を戻すとよりスムーズに入力出来る感じである点。

(2007/1/16)

今日のAOUR

自宅ではAOUR配列により入力をしているが、やはり日に日に入力速度は向上している。 まだ全体として手書き速度を超えないが、滅多に日本語入力をしない人のレベルまでには達しただろうか。
配列考案からまだ1週間経つか経たぬかというところなので、まあこの程度なのだろう。

本来ならキー一つ一つを覚えたり、単語の入力でべきかもしれないが、自分の場合は、今全て実践で、このような文章入力により練習を行っている。

周りには誰もこの配列で入力を出来るものがいないという優越感は、すぐ味わえるのだろうか。

AOURは、日本語入力時以外、IMEをOffにしたときは、配列はQWERTYになる。体系の違いで戸惑うと思いがちだが、今まで慣れ親しんだ(?)QWERTYをそう簡単に忘れるわけはないし、何よりJISかな入力の人は、かな入力時意外はQWERTYで、同じ状況なので、両立出来ないということは無いハズだ。

(2007/1/17)

なお習得中AOUR

1日の量にしたらだいたい1時間程度だと思うのだが、それでもまあ確実に入力速度は向上しつつある。
今日の速度は、手書きを超えたか超えないかというところ。
頭よりも、指のほうが覚えている感じ。特に左手の学習能力が高いという気がする。

しかしながら、実用はもう少し先である感じだ。

(2007/1/18)

なおゆっくり習得中

練習も満足にしていないが、独自考案配列AOURは、自分の場合まだまだ速度は向上していないし、ミスタイプも相当多い。
従って、まだこの入力方式が自分にとっても良いものかどうかさえわかっていない。

それでも、前日の速度よりも遅くなっているということはない為、長文の入力用としても使えるようになるのもそう遠くはないと思っている。

(2007/1/22)

ちょっと億劫に

独自考案配列AOURは、なお習得中だが、全く入力速度が上昇しなくなって、とにかく日本語入力が億劫になってきた状況である。使い慣れたAZIKに切り替えて戻ったら、どんなに楽だろうと思う。
HHKB Pro2の英語配列から、使い慣れた日本語配列のキーボード(Majestouch)に戻してみたが、入力効率は無論それが原因ではないので変わらない。

普通に実用で使って慣らそうと思っていたが、やはり単語の入力の練習をすべきなのだろうか。
AZIKは、既にローマ字入力を習得していた状態から始めた為、ほとんど違和感なく習得することが出来たが、自分の場合、Dvorak配列からまず覚えなければならなかった為、それがこのAOUR習得の最大のネックとなっているかも知れない。

長文はAZIKで、単語や単文はAOURでという使い分けをすると、余計にわからなくなるだろうか。

(2007/1/23)

ノートで打てないAOUR

どうしてだかわからないが、ノートPCのキーボードでは、AOURが極めて入力しづらい。
今使っているMajestouchとまず何が違うのかと言えば、一つにキーストロークが浅い事がある。これは、ストロークが深いキーボードに比較すると、ホームポジションから、指を平行にずらして打鍵をしなければならないということである。
普段使いのストロークが深いキーボードは、一旦指を直上に上げて運指をするため、その違いで感覚が異なり、結果として、全然打てないということになっているのだろうか。

しかしながら、速度の向上は停滞気味。何だか文字を入力するのが非常に億劫になって来ていて、やはり使い慣れたAZIKのほうが良いかなとも思ったりする。

(2007/1/25)

今なお習得中AOUR

独自仕様のローマ字入力配列AOURは、なお習得中である。
発案と使用開始からまもなく一月になり、一応配列は覚えたが、まだ入力は遅速で、文字入力も億劫になっている状態は変わっていない。

しかしながら、通常のローマ字入力やAZIKでなくとも、何とか実用は出来るようになってきた。
通常のローマ字やAZIKが、何年もかけてあのくらいの速度になったことを考えると、それを超えるのも、この配列が良いのかどうかを見極められるようになるのも、まだだいぶ先なのかもしれない。

(2007/1/31)

干渉あり

日本語入力ローマ字は、AOURと名付けた独自配列を使っているが、まだまだ相互に干渉が発生して、快適な入力にはほど遠い。
AOUR では、まだ子音の入力ミスも多いし、五つしかない母音だって、気を抜いていると、すぐ入力ミスをする。母音が片手に集中するのは確かに交互打鍵には寄与すると思うが、母音の位置を間違わないようにする為には、QWERTYのように、全く違った位置に配されているのも良いのかもしれない。

子音の入力ミスは、まだ完全にその位置を覚えきっていないものによるものである。ホームポジションの子音・母音だって、まだよく間違う。
位置的にミスが多いのは、やはりホームポジションから遠いキーである。人差し指の上段のばし指や、同じく人差し指の下段辺りなど。どの程度の運指で目的のキーにたどり着けるかが、全く見当がつかず、とにかくミスをする。
人差し指ばかりではないが、他もまだまだとにかく見当違いが多い。

意外にも、頭より指は覚えているようで、頭で意識して運指しようとすると逆にミスが多く、無意識に入力する文章だけに集中していると、スムーズに入力が出来ることもある。頭が冴えてきた午前中のほうが、ミスもやや少ない感じがするが、それでも、その中に雑念のように何かがあると、途端に入力ミスは多くなるし、一旦ミスが発生すると、その後しばらくはミスの連続で、書こうと思っていることがまだあっても、途中でやめてしまったりすることもあるのだ。

(2007/2/4)

AOURでチャット

高速打鍵が必要とされるのは、文章作成時でもWeb検索でも無く、とにかくリアルタイムで進行するチャットである。
それをする機会があり、こうしてテキスト入力をするくらいなら何とか使えるようになってきたので、このAOURのままで試してみたが、やはり全く違って、どうにももどかしい。ミスタイプの修正をしているうちに、話題が次へ進んでしまったりする。早く入力をしなければならぬと焦れば尚更だ。
通常のローマ字入力かAZIKならほぼその倍速で正しくタイプできるから、きっと発言も通常の1/2だったに違いない。

多弁が押さえられて、逆に良いのかもしれないが……。

(2007/2/4)

AOUR弊害

独自ローマ字配列AOURに転換して一月を経過し、日に日にこの入力方式には慣れてくるが、同じ行段系の通常のローマ字配列とは入力の干渉が激しく、もう現時点では戻るのにも時間がかかってしまうという段階になってきた。
かといって、AOURもAZIK並に高速に打鍵できるという段階でもなく、タイピング速度的には以前より作業効率は確実に悪い。(特に、チャットはつらい)

普通に英単語などはアルファベットをだいたい正しく打鍵できるのに、ローマ字となるとダメなのだ。

(2007/2/10)

AOURで2ヶ月

ローマ字入力の独自配列「AOUR」を使い始めてほぼ2ヶ月経った。入力自体はほぼ支障なく行えるようになったものの、まだまだミスタイプの頻発であって、通常のQWERTYローマ字入力の速度は全く超えられない。
タイプミスは全般的で、まだQWERTYのローマ字が紛れ込んだりしてしまっている。頭で考えながら指に指示を出そうとするとダメで、無意識に入力をしているときほどミスが現れにくい。

それでも、ある時ある時点を比較したら、おそらく確実に速度の向上はしていると思われるので、このままもう少し練習を続けて(多分、あと3ヶ月は)みたら、まあストレスなくスムーズに入力もできるようになっているのだろうと考える。

現時点で、長年使ってきたQWERTYローマ字やAZIKを忘れてはいないが、切り替えるとしばらくの間は干渉が発生し、つまりどんな入力方式でも効率は良いと言えない状況なのである。

(2007/3/2)

AOURで3ヶ月

独自の行段系打鍵配列である「AOUR」に切り替えて、3ヶ月くらいになる。
まだまだタイプミスはするものの、実用レベルでは問題がない程度には打鍵できるようになった。しばらく通常のQWERTYローマ字やAZIKを使っていないので、今は逆にそっちへも簡単に戻れない。

タイプミスは、慌てれば慌てるほど頻発する。落ち着いて入力したら、まあ特別遅くはないという程度には入力作業はできる。しかし、まだかなりもどかしくもある。この文章のように、入力を意識して書くと尚更ダメだ。

正直、もっと短期間で完全にマスターできるものと思っていたのだが、そうでもなかった。3ヶ月経ってようやくこのくらいなので、早い習得とは言えない。マスターしたら、これまでのQWERTYローマ字やAZIKより遙かにスピードアップすると思っていたが、少なくとも今までのところはその速度にさえ追いついていない状況であるため、本当にそうなるかどうかはわからない。
従って、自分が使っているこの配列がベストだよとも言えない。

そういう効果が確認できるには、まだ少々時間も必要だろうか。しかしながら、少しずつスピードアップをしてきているという事は間違いない。

(2007/4/3)

AOURで4ヶ月

毎月同じ事を書いている気がするが、今月も、まだ完璧に習得しているとは言い難い状況。
先日、高速入力を求められるチャットをする機会があり、無論AOURの入力方式で打鍵したが、かなりストレスは感じることなく、速いといわれても変でもない程度の速度では入力が出来ていた。人間、慣れだ。

「AOUR」は、自分で独自に考案したローマ字入力の方式で、これをATOKで実装している。QWERTY配列のキーボードをDVORAK風配列に見立て、ACTを参考にした拡張キーを割り当てている。つまり、キーボードのQWERTY刻印は全く意味が無く、そういう点では今使っているHHKB Pro2の、墨色モデルが、刻印が見えにくくてちょうど良いかも知れない。

AOURが本当に便利かどうかは、まだ何とも言えない。やはり当面は、自分一人でひっそりとこの配列を楽しむしかない。
通常の作業においては、困ることはなくなってきたが、完璧な習得には、まだ少し時間はかかりそうだ。

(2007/5/7)

AOURで9ヶ月

ACTを参考に自分で考えた配列AOURをATOKで使い始めて9ヶ月が過ぎたが、4ヶ月程度経過の頃から、体感的な入力速度の向上はほとんど無いようだ。
しかしながら、実用上は問題ないレベルの速度で入力はできている。

AOURを習得した弊害は、やはり元の入力方式との混同である。アルファベットで英単語を入力するときはほぼ間違いはないが、アルファベットで普通のローマ字を入力したり、たまに普通のローマ字入力をしたりするときに、子音キーはかなりの確率で混同する。
さらに、AOURはQWERTY配列のままDVORAK配列による割り当てを行っているが、キーボードの刻印はQWERTYのままであるため、刻印が意味を成さない。今はHHKBの墨色を使用しているため、そもそも刻印は見づらく、丁度良いと言えなくもない。

前の入力方式と比較して特別に高速に入力できているかというと、実はそうでもなく、せいぜい同等レベルであるので、入力速度に関しての利点も、自分のレベルでは無いかも知れない。DVORAK配列にほぼ準拠もしているため、左右交互打鍵に近い入力になっているのは、たくさん文章を入力する際には良いことがあるのかも知れないが実感するほど多量に文章の入力はしていない。

(2007/9/21)

AOURで4年

AOUR配列を考案し、その入力方式に切り替えてから、間もなく4年になる。
切り替え以来、会社でも自宅でもずっとこの入力方式であり、ほぼ毎日それなりに文章を入力する機会もあるので、この配列には完全に慣れきっている。とは言え、いまだに打鍵ミスも少なくないのだが、QWETYローマ字との混同はほとんど無くなってきている。
他人のPCを触る事もあるし、自分でもKINGJIMのPomeraを使うことがある。これらは通常のQWETYローマ字入力であり、AOURに切り替えることができないものの例だが、この場合も支障無く打鍵できている。多少の混同はあるものの、これはQWERTYだと意識していると、ミスタイプも頻発しないのだ。AOURでも、アルファベット入力はQWERTYであるから、全くQWERTYと縁が切れているわけでもないのだ。それでも日本語の入力速度的には、間違いなくQWERTYローマ字の場合よりAOURのほうが速く打鍵できるようになったと感じており、既に普通のQWERTYローマ字入力メインに戻ることはできない。

これまで、たまに配列の話が出たりした時に独自の配列について概要を解説してみたりすることもあるのだが、QWERTYローマ字やその他現行使用の配列からAOURその他の配列に切り替えようとしてくれる人は居ない。皆無である。まあ、覚える手間とか今後他のPCに乗り換える時のリスクを考えると、そんな決断をすぐにできる人など居ないのは当然である。
自分の場合、そもそもQWERTYローマ字配列を永く使ってきたが、AZIKを知り、それがATOKのカスタマイズファイルもあるということで切り替え、確か4年ほど使った。AZIKは、QWERTYローマ字の拡張であったから入り込みやすかったが、AOURは考えは踏襲しているとしても、配列構造的には全く別だ。Dvorakベースの配列、交互打鍵、SKY配列や母音キー集約の感触に興味を持ちつつ、Dvorakキーボードの入手や実装が難しかったことから、手軽にこれを使える方法はないかと考えたのがATOKによるカスタマイズであったのだ。その辺の所は「AOUR考案の経過」のページに詳しい。

切り替え時の懸念事項

切り替え当初、こんなような懸念があった。しかし、今になって考えてみると何れも杞憂。QWERTYとの混同は多少はあったが、別物と考え意識することで次第に少なくなっていった。QWERTYはアルファベットで使うし、そもそも20年も使ってきている配列であるからそう簡単に忘却してしまうようなことも無かった。
配列も、最初の1ヶ月から3ヶ月くらいまでは思うように速度も向上せず、それをメインで使うには支障もあった。多少速度は低下しても、実用上問題ないレベルに達したら完全にAOURに切り替えて使っていくうちに、知らぬ間に速度が向上していたような気がする。打鍵速度が問題になるのはチャットくらいで、通常の文章作成では多少なら遅くても大きな問題ではなかった。
ATOKの実装についても、これは前提条件として考えたことであり、ATOKで実装できない事はAOURのルールには含めないようにしたので、ここは問題ではなかった。

今後もずっと使う想定時の懸念事項

現時点での懸念事項は、こんなところだろう。ATOKで今後も同じレベル以上の配列カスタマイズ機能がサポートされないこととなると、AOURの実装もできなくなってしまう。おそらく可能性としては低いと考えているが、ATOKそのものの形態が変更されてしまうようなことがあれば安心できない部分はある。今年、2010年になって、Google IMEにもローマ字カスタマイズ機能が備わり、試してみたところAOURの実装が可能であった。(Google IMEの配列定義ファイル)MS-IMEでの実装は現時点では難しいが、他のIMEでも実装可能であれば、少しの安心材料にはなる。
そんなような事と合わせて、幸いにもATOKのローマ字カスタマイズ機能は、WindowsのPCの管理者権限でなくても実装することがかのうだが、これも変更には管理者権限が要るということになると会社のPCでは実装が不可能になるため、打鍵の効率が落ちるのはもちろん、自宅のAOUR環境との違いで面倒なことになったりもしかねない。Google IMEを使うという方法も、これも管理者権限がなければインストールが不可能なので、そういう選択にもならない。何より、会社のPCの経費削減のため、WindowsのデフォルトのMS-IMEで我慢しろ(ATOKは追加インストールさせない)、という方針になったらもう終わりである。

キーボード

配列のカスタマイズと合わせて、キーボードにもこだわりがあった。いや、ちょうど、ノートPCのキーボードではなく外付けのキーボードに凝ってみるようになって、どうせキーボードに拘るなら、ついでにローマ字配列にも拘ってみようと思い立ったのが、AOUR考案の原動力でもある。
当時、近くの家電量販店でも入手できるロジクールのキーボード数枚を試し、その後、FILCOのMajestouchだとか、HHKB Pro2だとか、少し間を置いてRealforceだとかを揃えた。メインの環境はノートPCであり、スペースの問題はあっても外付けキーボードを使う方がやはり快適である。気に入った筆記具をずっと使うように、同じインターフェースとして気に入ったキーボードを持っておきたい。
ハード的な配列はUS-ASCII、いわゆる英語キーボードを好んで使っている。ノートPC本体も購入時のBTOカスタマイズで英語キーボードを選ぶ。よく言われているように、キー数が少なく配列や刻印がスッキリとする事や、その他多くの部分が自分の感覚に合っているので英語キーボードが良い。
AOURの打鍵に至っては、QWERTY配列とは無縁なので、かなはもちろんの事、QWERTYの刻印も無くても関係ない。そうは言っても、アルファベット入力時はQWERTYだから、まああっても差し支えはない。(「好みのキーボード」も参照)

(2010/12/23)

AOURで15年

AOURを使うようになってから、まもなく15年が経とうとしている。本当にもうそんなに経つのかという驚きがあるが、どう計算しても15年になる。
お蔭様でと言うべきか、AOURはずっと使うことができている。実際に使っている。それだけ使っているので、もう習得がどうとかいう段階ではない。ほぼ毎日AOURで入力をしているので、自分にとっての和文入力はもうこれしかなく、ローマ字入力には戻れないと言って良い。ローマ字入力もできなくなったわけではないが、入力速度は圧倒的にAOURのほうが速い。

少し前に簡易な測定をしたところ、AOURで10分1,300字程度の和文入力速度であった。もっときちんと真剣にやればもう少し速いかもしれないが、それでもこのくらいの速度があれば実用上問題ないどころか、一応速く打鍵できる人の部類になんとか入れてもらえそうなレベルである。ローマ字入力の時はもっと速かったかどうかは覚えていないのだが、既に今はローマ字入力よりは速いことは疑いないので、当初の目的は達していると言える。拡張入力定義により打鍵数もローマ字よりかなり少なく、よって長文入力作業による疲労度も少ない。

かつてのローマ字入力でブラインドタッチを独習したときの、増田忠氏の教法を少し思い出しながら、AOURを習得し練習するときの順序を「練習帳」という形でPDF公開もしているが、実際自分はそんな理路整然とした順序で習得したかというと、全くそんなことはない。
母音の位置を覚えて、子音の位置を覚えて、序でに拡張入力も覚えながら、その組み合わせを使ってあとは実践で入力速度を養っていく力業であった。一通りキーの定義を覚えて、キーボードがない時にはエアキーボードで五十音を全て打鍵してみたりしつつ、定義の基本自体は1日2日で覚えて、あとは指の動きが定着してくるまでひたすら我慢である。

最初の頃は、もちろんローマ字入力のほうが速く、AOURではもどかしい感じであったが、やがてAOURで入力が自然にできるようになってくると、今度はローマ字入力との混同も生じたり、ローマ字入力も速度が低下してくるようになった。すなわち、従来のローマ字入力でも新しいAOURでも入力効率が低い状態がしばらく続いた。
入力効率がローマ字入力より低下しても、実用上問題ない速度で打鍵できることになった時が完全な移行の時期であると考え、以来ずっとAOURである。ローマ字入力のカスタマイズ設定なのでいつでも元に戻せるし、QWERTYの配列は引き続きアルファベット入力では使うので、ローマ字入力も忘れて使えなくなるということはない。
気付かぬうちに入力速度と入力効率はAOURのほうが上になってきたのは、それなりに時間がかかり、数ヶ月、半年以上経過してからであったようだ。

完全に習得してしまってからそれ以降、現在までの問題は特にない。
小さなこととしては、ローマ字入力ベースで作られているタイピングゲーム類ができないとか、他人にPCを安易に使わせられないとか、PC乗り換え時などに設定変更が生じるなどの、僅かな注意が必要であるくらいだ。
AOURは、基本的にはATOKで実装するが、Google日本語入力でも同様に使える。MS-IMEの場合はカスタマイズ可能な定義数が足りないこともあってDvorakJを介する必要がある。今後の問題は、そういうATOKやGoogle日本語入力が使えない環境を強いられる可能性があるということである。標準化だとか効率化だとか、改革だとかのスローガンを掲げて、一太郎と共にATOKを排除しようとする輩が居ることである。
自宅PCはAOURが使えるとしても、会社などではローマ字入力しか認められない場合、二つの入力方式の併用は、初期に混同して効率が低下したのと同様のことが生じて、実に良くない。

キーボードによる和文入力は、ローマ字入力方式の人が約9割、残り約1割がJISかな入力と言われていて、それ以外の方式はほとんど数字にも出現しないくらいである。ほとんどの人はこれらの何れかの方式で習得して、おそらく一生その方式を変更することはない。変更には速度と入力効率低下の時期があるので、実用上の支障になると考えられがちだ。元に戻す方法を確保しつつ、切り替えられる時点を待てば良いとも思うのだが、そんな余裕のある人はほとんどいない。
切り替えてしまった後で、ユーザ数の少なさによる方式の維持に不安があるので、やはりそれも切り替えようとする意思を阻んでしまっている。

AOURが最良の方式というわけではないが、ローマ字入力やかな入力よりも習得しやすくかつ高速に打鍵ができて効率も良い方式はいくらでもある。本当はキーボード習得の段階からそういう方式を学ぶべきで、最初の段階からもっと自由に選べても良いと思うのだが、ローマ字入力が使えないと社会では通用しない世の中である。

(2021/12/24)