OpenTTDの油田輸送2
OpenTTD温帯マップにおいて様々な輸送チェーンが存在するが、輸送量が多く、大きな収益が見込める海上油田からの石油輸送チェーンの構築と運用について解説する。
以前のページの新版として、OpenTTD 14(以降)に対応させた内容であるが、前提としては、割と大きめのマップで、設定を別ページでしたような変更や、特にOpenTTD 14ではこのような構成設定、NewGRFの導入を行っていることとしているので、標準的な動作と異なる面もある。
陸上油井と海上油田
OpenTTDの温帯マップでは、わりと早い年代からは陸上に油井が開発されていて、そこから一定量の原油が採掘されるのであるが、油井は規模が小さく、1960年に海上油田が開発され始めると、その前後頃から程なく全て閉鎖してしまうため、陸上油井の事業はここでは対象にしていない。
一方の海上油田については、埋蔵量も膨大なものがあり、2050年を過ぎてその後もずっと採掘し続けられるので、長期に亘って安定した輸送貨物として収入源にすることが期待できるのである。
油田開発時期と輸送チェーン
海上油田が開発されるのは1960年以降である。1960年になると、一気に海上油田が水域に出現していく。出現に気付いたら(2050年でゲームを終了する場合は特に)なるべく早く、輸送チェーンを構築すべきである。大きなマップでは水域も多いので、とにかく大量に出現する。
油田や製油所(石油精製所)をクリックすると表示される産業拠点「チェーンを表示」のとおり、「油田-(石油)-製油所」「製油所-(商品)-都市」の輸送チェーンを構築する。旅客の輸送チェーンもあるが、これは輸送量が僅かであるので、ひとまずここでは省く。
輸送の手段や方法は幾つかあるが、自分が最も効果的と思われる輸送方法は、海上油田から石油油送船(タンカー)で設置した埠頭に陸揚げして埠頭に溜め込み、埠頭に隣接して設置する駅から、適度な距離にある製油所に陸送する。また、製油所で産出された商品を同じく貨物列車で都市に輸送するというものである。
油田出現海域
油田が出現する水域は、マップ端から一定の距離の範囲内であるが、これは最初の設定で調節可能である。256タイル以上の大きなマップでは、設定数値の比率に応じた場所の範囲となる。
一つの水域に一つしかできない場合もあるし、三つ四つ、あるいは水域の大きさに応じて10以上の油田が出現する場合もある。複数の油田が同一水域に出現する場合は一つの埠頭に集積すると輸送できる貨物量が多くなるので、その分安定した収益が見込める。
事業の手順
手順的には次のとおりと思うが、時には飛ばして次の手順を先にしたり、あるいはほとんど、並行して作業をしたほうが良い場合もある。これは、基本的な手順で構築を何カ所も手がけているうちに身についていく。
- 事業着手水域の検討
- 埠頭と積出駅の建設
- タンカーの調達と指令
- 輸送路線と製油所駅建設
- 列車の調達と指令
- 周辺他水域からの搬入
事業着手水域の検討
事業を開始する目安として、小さな水域に一つだけの油田では、コストばかりが増大して収益に繋がらない場合が多い。一つの埠頭に集積される量の目安は、そこに集積する油田の合計産油量が月産で最低でも15万リットル、それ以上が確保されることであると考える。
水域に油田が10以上もあるような大規模水域だと、一つ一つの産出量が少なくても全体として多い産出量になるので、手がけるのはこのような大規模水域を優先すると良いのではないか。
また、後で解説する商品輸送の効率、帰りの列車に積み込む商品の量を確保することを考えると、周辺複数の水域をひとまとめに考えて一つの製油所へ輸送するという計画をしておくのも良いのだが、この辺はやや応用的である。
埠頭と積出駅の建設
埠頭及び造船所
埠頭の建設は、まず駅建設のスペース(及びそこからの路線構築)が確保できる場所が良い。ただし、油田と埠頭があまりにも近いと、油田の範囲と埠頭の範囲が重なり、自動採掘状態になってしまい、タンカー輸送の意味が曖昧になってしまう可能性もある。
また、埠頭は油田までの距離を考えて、そこを拠点とするタンカーが遠すぎる油田との間での往復にならないようにするのが好ましい。すなわち、水域が大きすぎる場合は受け持ち埠頭・積出駅を複数建設するなども考えるべきである。
埠頭の付近には、タンカーの基地となる造船所の建物も設置しておく。
積出駅
また、埠頭に隣接して石油を搭載するための鉄道・積出駅を建設することになるが、駅の建設は街が近いと評価状態によってはできないこともあるので、事前に立地する場所を含む街の状況を調査し、その影響外の場所にするなどの工夫も必要である。
特に、後から積出ホームを増加させたりする場合も駅建設と見做されることにも注意が必要である。
ただし、OpenTTD 14からは街の評価、議会の評価姿勢を自由放任にすることで、街の意向に関係なく、道路や建物を撤去してでも建設できるようになったので、今後はこの要件はあまり気にする必要は無い。
積出駅の構内配線
積出量が将来に亘って特に少ないと考えられる駅は1~2ホーム、受け持ち油田数が4~8くらいの埠頭で通常は3ホーム、それ以上は4ホームくらいが妥当かと思っていたが、満載となった列車を順に発車させるので、せいぜい2ないし3ホームくらいで良いのではないか。
積出駅は終端駅にはしない方が良い。終端型にすると輸送を終えて戻ってきた車庫に出入りする列車の折り返しで混雑・滞留が発生する可能性があるからである。配送を終えて帰着した列車は、この駅に止まらずに直通設定でそのまま車庫に入れるようにするのである。
積出駅のホーム長は当初は経験上4~5くらいが妥当なところと思っていたが、これだと1列車当たりの輸送量が少ないので列車が路線で数十にもなってしまい、線路が大変混雑することもある。もう少し長い列車を運行するために、自分は今のところ6の長さにしている。ただしこれは運行できる車両の輸送量に関係するので、環境に応じて決めてもらいたい。
埠頭範囲内への製油所出現防止
積出駅の建設後は、埠頭の影響範囲を調べて、範囲内に後から製油所が出現しないようにする必要がある。駅に隣接して出現した製油所は、陸揚げした石油を全て横取りしてしまうので、駅に原油が集積されず、輸送チェーンが崩れてしまうからである。
出現しないようにするには、埠頭積出駅の影響範囲を表示させ、無意味な道路や線路で範囲を囲うようにして、産業施設が出現しないようにしてしまうことである。
なお、この防止措置を早い段階でとらずに、製油所が出現して横取りが始まると手立てが無く、一旦タンカーを休止させて石油の埠頭への供給を停止し、製油所が自然廃業されるのを待つしかない。ただそれも廃業までは10年以上かかると思われるので、そうなったら埠頭と積出駅を別の場所にもう一つ設けて、拠点を移しつつ、廃業後に元の埠頭・駅を使うように戻るしかない。
配線例
この画像の駅では、範囲を表示させて、この範囲内に陸揚げした石油を製油所に横取りされないよう、道路を敷設して製油所が勝手に建設されるのを防いでおく。
建設すべき線路
なお、駅建設時に選択すべき線路は、非電化路線でも良いが、機関車の選択が限られるので、電車線にすべきである。後から電車線に改修することも可能だが、改修箇所に漏れがあると、その場所を探して補修するのに苦労するので、資金が十分でない頃は建設コストが気になるところでもあるものの、最初から電車線にすべきと考える。
資金に関して、1960年に海上油田輸送の事業に着手する際の資金は、あくまで目安ではあるが、数億円以上が望ましい。これだけあれば、路線を構築して車両を購入して、輸送で収益が出ると自然にその資金も増えて、新たな事業に着手できる。
タンカーの調達と指令
タンカーの調達
造船所で、油田と埠頭間の輸送を担う石油油送船(タンカー)を調達する。
タンカーは、1960年の後程なくして、積載量が多く高速なタンカーが出現し、これも標準では2070年までしか使えないが、旧式化撤廃のオプションを使うことでずっと使えるようになる。マップの運用を2050年以降もずっとする場合はゲーム開始前、最初のオプション設定に注意しておく必要がある。
タンカーは基本的に1油田につき1隻で十分だが、産油量が数十万リットルなど多い場合、埠頭へ輸送している間の産出が無駄になるので、その場合は複製して同じ航路のタンカーを増やすのが良い。他の輸送機器も同様だが、Ctrlクリックで指令を含めて複製できる。
埠頭からの距離が遠い油田で、産出量が多い油田は、複数のタンカー就航はさせておいたほうがいい。複数のタンカーを割り当てておくと後述する油田の廃業が起こりにくいかもしれない。
タンカーへの指令
タンカーには、造船所を出発して1サイクルで造船所に戻るまでの指令を出す。
- 油田(全て積み込み)
- 埠頭(全て荷下ろし)
- 造船所
という指令が標準である。 造船所・埠頭から油田が遠いと輸送に時間がかかって荷物の単価も下がったりするが、それ以前にあまり大きな水域などで埠頭から油田が見通せない所は、船が迷うことがある。このような場合は、見通しの利く位置にブイを設置し、そこを経由点として次のように指定する必要がある。しかし理想は、そのような水域では、適度に埠頭を増設して受け持ちの範囲を分けることである。
- ブイ
- 油田(全て積み込み)
- ブイ
- 埠頭(全て荷下ろし)
- 造船所
ただし、OpenTTD 14からは、ブイを設置しなくても目的地にたどり着ける新しい経路探索アルゴリズムが実装されたらしく、ブイは必要なくなった。
タンカーへの指令では、埠頭で全ての貨物を積み下ろすように指示する。埠頭も駅も荷物を無差別に荷受けするわけではないので、受け入れない貨物であってもここで強制的に荷下ろしするように指示するわけである。
積み下ろした石油は転送荷物とされ、埠頭内で処理されずに滞留していく。一定時間が経過すると次第に減っていくが、そうなる前に次の輸送手段、すなわち列車輸送に引き継ぐことになる。
輸送路線と製油所駅建設
運送先製油所の選択
輸送コストは線路の距離や時間で求められるが、運送料は拠点間の直線距離に応じての産出になっているようだ。すなわち、線路の経路はなるべく直線的に設置した方が効率が良く、迂回経路だと非効率になることも考慮して製油所の選定と経路整備を行うべきである。
埠頭と製油所の距離、あるいは後述の商品輸送の距離は結局どのくらいあれば一番効率が良いのかという検証はしていないが、感覚的には、200~250ブロックくらいの距離が妥当なのではないかと思っている。それ以上だと配送に時間がかかりすぎて輸送単価が落ちるし、空荷で戻る際のコストも増えるからである。
しかしこれも直線でそのまま配送路線とできるわけではないので、一概には難しい。
適度な距離の場所の製油所には、最初の最初くらいは建設資金の関係もあって、なかなかそこを選択できない場合もある。また、手順は増えるがとりあえずどこかの製油所への輸送を確立させてしまってから、本輸送を行う製油所を選ぶこととして、最寄りの製油所を選定し、その後搬送先製油所の変更を繰り返して本來目的の製油所への搬送に切り替えていくという段階的な建設もあって良い。
製油所の廃業対応
製油所は、他の産業拠点同様に廃業することが少なくない。搬入が一定期間ない場合などは特に廃業しやすい。
一定期間とは概ね10年くらいと思うが、その製油所がいつ設立されたのかを知る手段が見当たらないし、当該製油所のクリックで廃業がわかるのは半月前くらいなので、時期は予測できない。
すなわち、製油所までの線路経路構築中に廃業になってしまうこともあるし、駅を建設して列車での輸送を開始する、あるいは開始直後に廃業してしまうということもある。
廃業を防ぐ手段は、とにかく石油の搬入を行うことであって、廃業に至るか至らぬかは賭けみたいなもので、最初の輸送列車が廃業前に到着するのを祈るしかない。
廃業になれば、石油を受け入れない駅になってしまうので、転送荷物として駅に貯まり続けることになる。
なるべく早く、付近の製油所を見つけてそこへ駅を設置し、そこへの搬入へと切り替える必要がある。
上記のように、段階的に輸送先製油所を切り替える方式を採っていれば、仮に本来輸送を目指していた製油所が廃業しても線路は途中まで構築されているので、その方向で別の製油所を探してそこへの線路を構築するので、手間が少ない。
製油所駅の構内配線
製油所に関しては、石油輸送列車は終端駅として、ここで積み荷の原油を下ろしたら折り返して埠頭の駅・車庫へ戻っていくのが基本である。
商品輸送列車を設定する場合は、埠頭の積出駅同様の配線として、帰着した列車が折り返さずに車庫に入れるようにすべきである。商品輸送列車を石油輸送列車と別にして満載待機させる場合は、待機させる列車でホームを占有して、石油輸送列車が入線できなくなってしまうのを防ぐ信号設定、配線設定が必要であるのだが、石油と商品、コンテナ車なら両方運べるので、製油所駅に到着して荷下ろし後、車庫に入り、再び製油所駅に入線して商品を搭載するような設定にする場合は、やはり積出駅同様の配線で良い。
なお、商品列車専用ホームにするには、このホームを本線方向に一方通行にすると、石油輸送列車はこのホームに入れず、車庫側からの商品輸送列車しか入れなくなるので、一方通行パス信号を応用して、ホームの進行方向を設定するわけである。
この場合は、この満載待機専用ホームと別に石油の荷卸し用ホームを設けるので、番線数を考える必要がある。
線路の建設
製油所駅を先に建設するか、線路の建設を先にするかは状況次第だが、拠点を先に設置しておいて後からその経路を建設する、すなわち線路の建設は駅より後というほうが基本かも知れない。
埠頭・積出駅から運送する製油所までの線路は、列車数が増えると運送列車と戻りの列車の行き違いに支障が出るので、理想としては全線複線だが、単線の場合は、列車数に応じた行き違い箇所を設ける必要があって、実は複線より難しい。
産油量が多い油田を擁する埠頭・駅だと複数の列車での運送になるので、なるべく回転をよくするために複線区間を多くするか、全線複線となるようにすべきである。
最初から全て複線で建設するように決めておいた方が無難である。
商品配送都市への路線構築
製油所からの商品を荷下ろしする駅は、予め商品を受け入れることができるかどうか確認してから設置する必要がある。都市の中心部に近い場所か、ビルなどがあるような地域に隣接していればだいたい、駅を建設する時に受け入れ荷物の確認で商品が表示されるので、そこで問題ない。
都市ではない集落に建設してしまうと、後から荷物の配送間隔状況等によってはその後商品を受け入れなくなってしまい、転送扱いとなり下ろした荷物で得られる収益が激減するので、とにかく商品の輸送先は都市に限定し、しかもなるべく中心部に近い所に駅を設置しておくべきである。
商品輸送の路線は、石油輸送と合わせて構築しても良いが、ひとまず石油輸送だけを行っておいて、後から構築することでも良い。自分はそうしている。
行きは石油輸送で帰りは商品輸送という、複合の列車で運行するのが効率が良いが、その場合この路線は、製油所方向から直通で入れる(折り返さずに入れる)方向にして、終端駅型でも良いので、さらにそこから埠頭・積出駅の車庫へ直通できるように配線をすべきである。
配送先の都市は、なるべく埠頭に近い都市とすべきで、すなわち空荷運行の区間をなるべく少なくすることで、商品輸送の利益と共に列車に係る輸送コストを下げるのである。
列車の調達と指令
列車の調達
石油輸送の列車は埠頭積出駅側の車庫で調達し、ここを基地とする。製油所の車庫で調達しても良いのかも知れないが、自分はそのようにしている。
列車は駅のホームに収まる長さになるよう、貨車数を調整する。ホームが5ブロックだと、機関車1両に貨車が9両ということになる。ホーム長以下なら問題ないが、それ以上の長さにすると、積み込みに時間がかかる(ただしこれも最初の設定でそうならないよう競って出来る)ので効率が悪い。
機関車、貨車は石油を運送するのに適したものを選ぶ必要がある。タンク車のタキは高速110km/hでの走行ができる。1949年には登場しているようなので、海上油田が出現し始める1960年には既に選択できるが、機関車のほうは、ELだと高価なEF58か、64年にEF64が登場するまで、その最高速度での運転が出来ない。最も効率が良い、機関車の価格が安いのはEF81で、これは68年頃まで待たねばならない。ここは、DLも選択肢としてその時点で選べる最良の組み合わせを考えるべきである。
車両は、これもJP+シリーズのNewGRFでは少し事情が異なっていることに注意する。たとえば、タキはずっと後にならないと登場しないし、最高速度も異なるなど。
商品輸送専用列車を設定する場合は、製油所側の車庫で調達する。コンテナ車やM250系など幾つか選択肢があるが、石油輸送列車と最高速度は揃えた方が良い。速度に差があると、滞留が発生しやすい。
M250系編成を使う場合、この列車は最高速度が130km/hである。しかし石油輸送列車は、タキ貨車が110km/hなので機関車が120km/hでも列車は110km/hとなり、20km/hの差が生じてしまう。このため、商品輸送列車の本線走行の最高速度を110km/hに制限している。
方法は、ダイヤの設定画面からできる。
これもまた、JP+シリーズのNewGRFの車両だと、コンテナ車も選択肢が豊富で、110km/h最高の車両もあるので、これを選べばタキの最高速度に合わせられる。
必要に応じて、列車を組成したら、後述の方法により名前を付けたり、あるいはグループ分けを設定しておくと、後で整理したり探し出したりするのに都合が良いが、小さなマップではそのような必要はないかも知れない。
最初の列車で指令を設定後、その最初の列車を複製(Ctrlクリックで指令を含めて複製)して適当な編成数にしていく。
何編成が妥当なのかは、埠頭への陸揚げの石油の量や商品の量と、目的地までの距離により変わってくる。計算で出すことは難しいので、適当な編成数で運行するためには、最初の列車を出発させて、搬送を終えて戻ってくるまで、搬出元駅の荷物の状況を見ながら適宜列車を複製して発車させることである。
列車の指令
石油輸送列車の指令は、次のようにする。
- 埠頭駅(満載待機指令)
- 製油所駅(全て積み荷下ろし)(直通)
- 埠頭駅車庫(直通)
一方で、商品輸送列車の指令は次のようにする。
- 製油所駅(満載待機指令)
- 都市駅(全て積み荷下ろし)(直通)
- 製油所駅車庫(直通)
更に、JP+シリーズを使う場合コンテナ車は石油もコンテナ状態で運べるし、商品も運ぶことができる。すなわち、行きは石油を輸送し、帰りは商品輸送をするというような応用の運転をすることで、前述のとおり列車調達のコスト、帰りの空運行のコストを削減することができる。
埠頭積出駅を起点とする場合の列車の指令は、例として次のようなものであるが、このように運行できるよう、製油所駅到着の列車が全て入庫できる配線、都市駅から埠頭駅の車庫に戻れるような配線も整備しておく必要がある。
- 埠頭駅(満載待機指令)
- 製油所駅(全て荷下ろし)
- 製油所駅車庫(改造・商品搭載へ)
- 製油所駅(商品があればあるだけ搭載)
- 都市駅(全て荷下ろし)
- 埠頭駅車庫(改造・石油輸送へ)
周辺他水域からの搬入
製油所で生成される商品は搬入した石油の量の半分程度である。製油所駅で満載待機させると滞留が発生するので、帰りの商品輸送はオマケのようなものと考え、商品が無ければ搭載しないで発車させるのであるが、石油輸送と商品輸送を担うコンテナ列車の他に、石油輸送専用の列車が同数程度あれば、理論上は常に満載で商品輸送も行えることとなる。
そううまくはいかないものだが、埠頭のある水域の近くに他の水域があって、石油輸送が望めるなら、その水域からは石油・商品輸送ではなく石油だけの輸送列車を運行させることにして、路線のどこかで合流して同じ製油所に搬入させると、その分の石油で商品が生成されるので、商品輸送の収益も上がる。
周辺水域の状況をみて、そのような路線も構築して製油所の稼働率を上げるのもよい。
運用上のTips
ここからは、そのように構築した輸送チェーンの運用に係る様々な点である。
転送を活用した製油所までの輸送
列車数が増えすぎているような場合、転送荷物の考えを使って、任意の場所に貨物ターミナル駅を構築し、あるいは既存の駅を貨物の積み替え基地として使う方法もある。あまりに遠い製油所へ送り届ける必要があるなら、当該ターミナル駅で一旦荷下ろししてそこに滞留させ、別の列車に積み替えるようにして、別の列車で目的地へ運ぶわけである。これだと、適度な時間で油田の埠頭とターミナルとを往復できることもあり、必要以上に列車を増やさないで済むので、線路の混雑緩和にも影響がある。都市に近いなど、埠頭・駅やルートが満足に建設できない場合も転送所駅を設ける考え方が有効である場合がある。
ただしこれも、1列車の輸送量を上げる、すなわち編成を少し長大にすることで列車数を抑えることができるので、あまりその必要はなくなった。
タンカーの長期運用
2050年を超えてもなおゲームを続ける場合、含まれているタンカーは2070年かそれより少し前頃には新たに購入できなくなる。故障して使えなくなれば、もう採掘する手段を失うことになるので、注意が必要である。
継続して油田事業による収益を期待して遊ぶ場合、故障を軽減でもかなり多い確率で故障するので、輸送機器の故障はなしにしておくことが一つと、あとは旧式の輸送機器の廃止を撤廃するオプションを有効にしておいて、開発された輸送機器は永遠に更新できるようにしておくべきである。
これらオプションは、新規ゲームに影響し、プレイ中のマップには反映されない点も注意が必要である。
油田の廃業対応
油田は、タンカーでの輸送をしていても割と頻繁に消失する。巨大マップで油田数が多ければなおそういう状況になる。どの油田が消失するかは予測できないが、産油量が月産4万リットル以下の油田はその可能性が高い。1万に満たない所は特にその可能性が高い。
油田の選択肢が十分に有る場合は、このような小さな油田には手がけないというのも考え方としてある。
しかし一方で、廃業後にほぼ同じ場所に同じ名前での油田が出現する可能性も高い。
油田廃業になると、タンカーは目的地を失い、埠頭と造船所の間を無駄に往復するので、画面に警告が出たらなるべく早く、当該船舶は運転停止の指令をしておくべきである。
今後その水域に新たに油田が出現したら、その船を活用して新たな油田へ向かわせるように指令を変更する。その際には、運転停止の解除も忘れずにする。
今後、当該水域に新たに油田は出現しない見込みである場合は、タンカーを売却してしまえば、無効な指令が設定されているという警告も出なくなる。警告は無視して、新たな油田出現に備えるのも、売却して新油田出現時に改めてタンカーを調達するという手法も悪くない。いずれにしても、運行停止をしてしまえば運行に係るコストはかからない状態で造船所でずっと眠り続けている。
海上油田の旅客輸送
海上油田にはヘリポートもあり、旅客輸送も可能であるが、ヘリによる輸送は輸送量も限られ、また速度も遅いので、採算がとれない場合が多いと思われる。産業に余裕があれば、都市や油田間での輸送を構築してみるのも良い。
油田、タンカー、列車等の名前
参考まで、自分の場合の命名規則である。
油田名
油田名は、都市名から作られて、好きに変更することができない。油田と同じ名前の都市が水域周辺にあるはずなので、それを見つけて、都市名を変更する。
自分の場合、巨大マップで遊んでいるので、マップ内の場所がわかるよう、座標数値から取った6桁の数字を都市名にしている。従って、「016245市油田」などという名前が付いたりしている。
製油所名もほぼ同様で、都市名から引用されるので、「346201製油所」などとしている。
タンカー名
船の名前らしく「油井丸」という名称で、その前に行き先油田名を付けて「016245油井丸#123」のようにしている。#123はOpenTTDで勝手に順に輸送機器に付ける識別番号である。これはそのまま残している。
船を購入したら、その船を船舶一覧から予め設定しておいた「油井丸」グループに入れてやると勝手に「油井丸」の名が付くので、そこから油田名を付けるようにすると、船が多い時には楽である。
また、油田名をつけておくと、その油田が消失した後、同じ名前で復活した時に指令を調整しやすい。
駅名
積出駅、製油所、商品搬送先の駅名は、都市が近ければその名の通り「016245埠頭」などと付くが、駅名は自由に変更可能なので、「016245森」などとなっていたら埠頭の駅とわかるよう修正する。製油所に関しても同様で、「346201製油所」などとする。
商品搬送先は、都市名を冠して「016245市貨物TMNL」などとしている。
列車名
列車名は少し面倒だが、発地と着地、輸送荷物名をつけて、「016245-346201石油#123」とか「346201-016245商品#123」のようにしている。製油所を変更した場合などは全て列車名を変更するので大変である。これは、旅客列車なども同様だが、今後は発地か着地、どちらかだけでも良いかも知れないと思い始めているところである。
ただ最近は、出発地の名だけ入れて「016245石油#456」のようにしている。これだと、目的地製油所が変わっても影響がない。
列車を増便する時には、複製機能を使うので、名称も最後の識別番号だけ変わって自動で引き継がれるので、その点は便利である。
船舶同様、列車を新規調達したらグループに分けると、命名が少しだけ楽になる。