テキストエディタのキー定義
テキストエディタを使う利点の一つはカスタマイズ性の高さ。画面の配色や表示に関することもそうだが、メニューやキー定義も、自分でよく使うものを効率よく割り当てることが作業の能率の向上につながる。
よく使うコマンドはショートカットキーに割り当てると操作感が向上するので、使うテキストエディタではキー定義のカスタマイズをしている。
【Ctrl】+【S】で上書き保存など、基本的にはWindowsでの標準的な定義に従うと他のアプリケーションとも共通するので感覚的に覚えやすい。標準のショートカットを基本としつつ、さらに自分で便利だと思うところのほうを優先で割り当てている。
割当のポイントは「2ストロークキー」である。
WZ EDITORでの追加キー定義
主で使うWZ EDITORでは、WZ標準の割当に加えて次のようなキーをユーザ追加定義として割り当ててある。かつては、標準に代えてユーザ定義だけで使ったこともあったが、標準の割当はそれはそれで問題ないので、それを補完するように追加する方が良い。
WZは、VZの流れを汲み標準的に2ストロークキーの割当が出来るので、操作を体系的にまとめられる。
VZライクキーとこれらキーを組み合わせるという方法もあるが、VZライクは資料が少なかったり、使ったことがないせいで、思うような操作ができないため、他のアプリケーションとも共通性がある標準のキー定義を元にしている。
ファイル系
- 【Ctrl】+【LO】 = ファイルオープンダイアログ
- 【Ctrl】+【LS】 = 上書き保存
- 【Ctrl】+【LA】 = 名前を付けて保存
ファイル系操作は【Ctrl】+【L ? 】として、第1ストロークを【L】キーとしている。多分これはVZなどからの流れで、FileのLなのだろうと思う。
編集系・削除系
- 【Ctrl】+【KA】 = 全て選択
- 【Ctrl】+【KX】 = 切り取り
- 【Ctrl】+【KC】 = コピー
- 【Ctrl】+【G】 = 削除
- 【Ctrl】+【J】 = 削除
- 【Ctrl】+【H】 = バックスペース
選択やコピペ操作などの操作は、第1ストロークを【K】としている。これにした由来は定かでない。
【Del】や【BS】を使わずホームポジション操作で削除系の動作もできるようにもしている。削除に【G】と【J】の両方を割り当てているのは、削除動作のイメージで後方を削除する操作を【G】の隣に割り当てた方が分かりやすいかと思ったためなのであるが、ATOKの削除ショートカットと共通の【H】と【G】で十分かと思っている。
カーソル移動系
- 【Ctrl】+【A】 = 単語左
- 【Ctrl】+【F】 = 単語右
- 【Ctrl】+【D】 = カーソル右
- 【Ctrl】+【S】 = カーソル左
- 【Ctrl】+【E】 = カーソル上
- 【Ctrl】+【X】 = カーソル下
カーソル移動系は、いわゆるダイヤモンドカーソル操作を左手側に配置するような割当としている。VZなどで、このようなキー割当だったらしいが、その操作を見聞きして、それに倣って割り当てた。カーソル移動キーに代えて割とよく使う。
検索系
- 【Ctrl】+【QF】 = 検索ダイアログ
- 【Ctrl】+【QR】 = 置換ダイアログ
- 【Ctrl】+【QG】 = GREP検索
検索系は、第1ストロークを【Q】に割り当てた。Questionの「Q」である。
その他
- 【F9】 = 表示設定ダイアログ
そのほかにも幾つか独自の割当をしている。HTML書きのためのEmmetの操作など。
【F9】に設定ダイアログを割り当てたのは、一太郎の文書スタイル設定ダイアログのキー操作と合わせたものである。
秀丸で疑似2ストロークキー
一時期、WZから秀丸へ乗り換えるときも2ストロークキーの割当が実現できるかどうかが課題であった。
調べると秀丸エディタでは完全な、ネイティブな2ストロークキーはサポートされていないが、代替的な手段により実装が可能であった。これはサクラエディタも同様である。
簡単に言えばユーザメニューと組み合わせる。
秀丸のユーザメニューは8つほど作れるようで、そのうちデフォルトでは3から7が空きになっている。この領域に、2ストロークキーに割り当てたいコマンドを、2ストローク目のショートカットキーをアクセスキーとして割り当てる。メニュー出現までの遅延を0.0秒にする。
次に、コマンドを割り当てたユーザメニューに、ショートカットキーを割り当てる。この割当が1ストローク目のキーになる。
1ストローク目で任意のユーザメニューを出現させ、2ストローク目でそのユーザメニューに登録されたコマンドを実行する。擬似的ではあるが、2ストロークキーコマンドの完成である。
自分は、WZと共通になるよう一つ目のユーザメニュー、選択系のコマンドを【Ctrl】+【K】に、二つ目のメニューは【Ctrl】+【L】でファイル操作系、三つ目は【Ctrl】+【Q】で検索系のコマンドを割り当てている。
WZもそうだが、数は少ないもののよく使う機能で覚えられる範囲としてこれで十分なのである。
その他のコマンドは標準の割当を使うか、使用頻度が高くないものはメニューから実行することで良い。
そんな秀丸エディタの場合だと、次のような感じで割当をしてある。
結果的にはWZ EDITORの割当とほぼ同一である。
ファイル系等
- 【Ctrl】+【L】 = 2ストロークキーメニュー
- 【O】 開く...
- 【S】 上書き保存
- 【Ctrl】+【N】 = 新規作成
- 【Ctrl】+【O】 = 開く...
- 【Ctrl】+【T】 = 新規作成
- 【Ctrl】+【Tab】 = 次のウィンドウへ切り替え
- 【Ctrl】+【P】 = 印刷...
- 【Ctrl】+【W】 = 終了
【Ctrl】+【N】以降は、標準の割当そのままだったかもしれない。なぜここに挙げたかというと、標準割当に代えてユーザ定義だけ使っていた場合の割当のリストだからである。
2ストロークキーで上書き保存を割り当てているのは、次のカーソル移動系のダイヤモンドカーソルで標準と【Ctrl】+【S】が使えないからである。
カーソル移動と削除系
- 【Ctrl】+【A】 = 単語左
- 【Ctrl】+【F】 = 単語右
- 【Ctrl】+【D】 = カーソル右
- 【Ctrl】+【S】 = カーソル左
- 【Ctrl】+【E】 = カーソル上
- 【Ctrl】+【X】 = カーソル下
- 【Ctrl】+【G】 = 削除
- 【Ctrl】+【H】 = バックスペース
秀丸も、WZ同様にカーソル移動系はいわゆるダイヤモンドカーソルを割り当ててみている。
編集系
- 【Ctrl】+【Q】 = 2ストロークキーメニュー
- 【F】 検索...
- 【R】 置換...
- 【G】 grepの実行...
- 【Ctrl】+【K】 = 2ストロークキーメニュー
- 【A】 すべてを選択
- 【C】 コピー
- 【X】 切り抜き
- 【Ctrl】+【V】 = 貼り付け
- 【Ctrl】+【C】 = コピー
【Ctrl】+【V】以下についても、標準と同様である。
結局のところ、WZも秀丸も同じキー操作で同じ事が出来るようにしているのである。
ここまで、過去に別の所で書いた「秀丸で2ストロークキー」や「テキストエディタのキー定義」を元にして少し加筆・修正した。2014-02-02、2021-05-01