OpenTTDの鉄道運営

OpenTTDの鉄道運営

OpenTTDをしばらくやってみて、マップの中でどのように鉄道を敷設し運用していくかは、幾つかのノウハウが必要と思われるので、主に後で自分で参照するために書き置いておくことにした。
Japan SetのTracksやTrainsのNewGRFを導入し、日本型の鉄道交通による進行を前提とした内容だが、OpenTTDを始めてみた人などが、何かの参考になれば幸いである。

なお、OpenTTDの鉄道運営に関しても、現実の鉄道に関する基礎的な知識があると役に立つことは言うまでもない。

計画

まずは、鉄道建設をするにあたって、どの都市・集落間、あるいはどの産業拠点間をどのような鉄道で結び、何をどう運送するかを計画しなければならない。

都市間輸送

一定の客数、荷物(この場合は郵便)数が見込める(収益が見込める)のは、普通の集落よりも「都市」とされている集落で、ここは普通の集落の2倍の速度で発展するというから、乗客や荷物も増えやすい。収益を目的とするなら大きな都市間、あるいはまだ発展していない都市間を結ぶ計画を立てるのが手っ取り早い。
この時点で、経由する集落なども考え、概ねの経路を構想として描いておく。河川や山などがある場合、あるいは交叉できない他の交通機関などがあったりすると橋やトンネルを建設しなければならないし、カーブ部分(45度方向転換)が列車長より短い距離で続くと速度も低下するので、なるべく、そうならないような経路を想定しておくべきである。

産業拠点輸送

産業に関しては、まず産業チェーンを把握した上で、何をどこに運ぶのかをまず考えるべきである。鉱山や炭鉱などは、それぞれ製鉄所や発電所に運送することになるが、鉱山毎に産出量の多寡はある点には注意が必要である。森林から原木を製材所に運ぶのも同様である。
一方で、海底油田から産出された石油をタンカーで運送して埠頭へ陸揚げし、隣接して建設した鉄道駅から精油所へ運送するのは、産出量が多いため輸送量も多くなり、一定の収入が見込める。(別ページでの解説を予定。現行ではここに

産業拠点は産出量の増減があったり、供給量が不足していると工場なども一定期間経過後に閉鎖されてしまうというようなリスクもあるので、そこは承知の上で鉄道輸送の建設計画を立てるべきである。
場合によっては、鉄道ではなくトラックによる輸送で十分である場合も考えられる。

新たな産業拠点が開設する場合もあるので、そうなった場合には新たな路線開設も模索するべきであるが、全ての産業の輸送ニーズに応えていくのは難しく、またそうしないことでのペナルティもない。

種類

Japan SetのTrainsとTracks(ほか、StationsやSignalsなどの一連も日本型風景で運用するためには導入しておくべき)を導入すると、鉄道車両と路線が日本型になり、新幹線路線が使えるようになる。代わりにモノレールやマグレブが登場しない。
非電化の狭軌路線が80km最高速と130km最高速、電化路線は130kmが2種類(2種の違いはよくわからない)、後に160kmも登場する。標準軌の新幹線は130kmのミニ新幹線、240km、320kmの線路が現実の登場年に合わせて使えるようになる。すなわち、最初の新幹線は昭和39年、1964年の秋頃であるが、JapanSetの最終更新がこの時点では2016年であるので、これ以降に登場した列車群などは含まれていないが、代表的な車両の多くが含まれていて、十分に納得できるものである。今後も継続して開発されることを期待する。
標準軌ではこのほか160kmの線路も選択できるようになるが、新幹線への乗り入れができないもので、これは実際の何なのか、自分はよくわかっていない。ガイドPDFを見ても、よくわからないが、都市風景に合わせたスタイルというだけかもしれないし、違うかも知れない。

鉄道整備計画時には、これらのうちどの線路を整備して、どのような列車を運行させるかも考えておくべきである。時代が古ければ、狭軌80kmの路線しか選択できないと思われ、列車もSLによるもので、現実に合わせて非電化路線を選んだり、電車の時代になれば電化路線を選ぶなどが一般的である。なお、線路は後に解説するとおり別の規格に置き換える工事をすることも可能である。
非電化路線も後で電化できるし、新幹線化も可能であったりするが、標準軌フル規格の新幹線(ミニ新幹線規格でないもの)は他の交通、すなわち道路との平面交差ができない、道路踏切が使えないなども踏まえておくべきである。

産業輸送においては、新幹線を選択することはなく単純な非電化路線という選択が一般的である気がするが、高速輸送を考えると130km路線を選択したり、電化路線にするのも自由である。

都市間輸送における駅の建設場所は、もちろん都市・集落の中心部にするのが望ましいが、OpenTTDでは高架線や高架駅、あるいは地下駅などの建設はできないので、地上に建設するとなると、集落の郊外の何も無い平地に建設するしかない。
建物や道路を破壊して中心部に割り込んでいくことも機能的には可能だが、たいてい議会の反対でそのようなことはできないようになっている。周辺部の整地などによっても会社の評判は落ち、目的の場所に建設ができないということもある。

都市の評価との関係については後述するとして、とにかくなるべく中心部に近い位置で、前後の経路も考えて適切な位置と設置方向を選定する必要がある。発展前の都市ならそこが中心部になっていくので、そういうことも想定して駅の位置も決めるべきである。

産業拠点に特化した駅にする場合は、その拠点に隣接させた駅にするのが最も効率的である。離れたところ(駅の範囲外)に建設して、別の輸送手段で駅に貨物を運送するということも、司令次第では可能だが、基本的には駅がその荷物を受け入れるかどうかなどにもよるので、困難かもしれない。

駅はそれなりにタイルを使うので、それを見越して場所を決める必要があるが、郊外に行けば集客が困難になるので、建設時に範囲表示を活用しながら場所と駅の向き、ホーム数とホーム長を考えておく必要がある。

基地

車両基地(車庫)は、幾つでも設けることができる。線路の終点部付近に設けるのが一般的と思うが、中間駅付近に保守用基地として設け、そこに適宜入線させる経路を組むようなことも可能ではある。

運行数

整備した路線には、どのような列車をどの程度運行させるかも考えておく必要がある。貨客が多いことが想定される、都市規模の大きな拠点間を結ぶ場合は、路線に複数の列車を運行させる。そのために単線なら行き違いの場所も必要で、最初から複線で建設するという構想もあって良い。

整備

ここからは、実際の整備、建設について述べる。

駅・基地

鉄道の整備において最初に建設すべきなのは駅である。計画した場所に真っ先に、線路よりも先に建設する。これは、関連する地均しや土地の整地などの作業を先にしてしまうと都市からの評価が下がり、議会の反対により目的の場所に駅が設置できなくなるからである。
産業拠点の駅でも、都市・集落のゾーン内では影響が及ぶ場合があるので注意が必要である。

駅は、形は同じでも整備する線路の種類毎に異なっているようであるので、その目的の線路メニューから選択した駅を設置する。
行き違いが無く、将来も1列車のみとするような短距離路線や特定の貨物を特定の箇所に運送するだけの路線は単線で、ホームも1番線だけあれば良い。複数の列車を運行させる予定の場合は、2番線以上のホームとする。

ホームの長さは、標準では1パネルで2両分なので、3パネルで6両分となる。
これも、将来的にどのくらいの長さの編成で運行するのかを見越して建設する必要がある。大量の貨客が見込める場合は4パネル8両編成かそれ以上とするのが良いが、それ以外標準では3~4パネルくらいで十分かも知れない。

JapanSetなどで駅舎やホームが選べる場合は、標準の物を含めて好みの物を選べば良い。機能には差は無いように思う。

駅の建設を終えたら、駅付近の線路配線もあわせて作ってしまうべきである。単線1番線の駅ならそこから線路を延伸するだけだが、2番線以上のホームの駅では、本線に至る配線で単線なら線路が1本に収斂するまでの経路も作っておくという意味である。
この部分の線路配線については様々な形があるので、そこはセンスが示される箇所でもある。

車両基地に相当する車庫は、道路に設置する自動車の車庫と同様に線路の先や線路に隣接して車庫の向きに注意して設置する。
分岐をした線路の先に設置しないと、不自然な場所への設置になったり、あり得ぬ方向(直交方向)に列車が通ったりする。
設置場所は終端駅の付近か終端駅の先が、運行経路を考える上で都合が良い。

なお、車庫の出入りには、自動的に信号が設置されて制御されるようである。

路線

駅や車庫の建設後は、本線部分、駅間の線路を建設する。
選択した種類の線路の線路建設ボタンから、各パネルに線路を敷設していくが、自動敷設のモードボタンを使うのが一般的と思う。

誤って線路を建設してしまった場合は、爆弾ボタンで破壊するのではなく、ブルドーザーのアイコンの撤去ボタンにより撤去するべきで、この場合は当該土地を再び売り戻すことになるので、少しの利益を生む。

線路は、各パネルの辺の中央に端点があり、各方向に線路が設置できる。すなわち、カーブの場合は必ず45度方向になる。これの組み合わせで、各方向へ線路を敷いたり、分岐させて駅に接続したり支線を設けたりすることが概ね自由にできる。
カーブでの減速について詳しくはGame Mechanicsのページ(英語)にある。

土地の高さが違う方向のタイルについては、斜め方向などで設置できない線路の場合がある。この場合は、土地の高低工事をするか、別ルートを検討する。
高低工事などの整地作業は、都市からの評価を著しく下げることになり、整地作業自体ができなくなり、駅やその他の設置も議会の反対で長期間不可能になるので、なるべくしない方が良い。

当然ながら、違う種類の線路メニューと混同して違う種類の線路を設置してしまわないように注意が必要である。たとえば、電化区間と非電化区間の線路や最高速度が異なる線路など。意図して電化区間と区別する場合は無論それぞれを接続しても問題ない。
新幹線やマグレブ、モノレールは他の交通機関との平面交差ができないだけでなく、他の種類の線路とも接続ができないので、その点も留意が必要であるが、(JapanSetの)新幹線の標準軌と在来線標準軌は見た目上接続できてしまう場合もあるので、よく確認する必要がある。

駅の建設時やこの後の構造物の設置時も同様であるが、発展した都市においては建物が邪魔になってタイルの位置がわからなくなるので、樹木や建物の透明化表示機能を使って位置を把握する必要がある。

橋梁とトンネル

水路や湖、海、平面交差できない交通については、橋梁の建設により超える必要がある。橋やトンネルは、結ぶ部分のタイル(土地)の高さが異なっている場合は建設できないし、直線方向すなわちパネルの正直方向にしか建設できない。橋の場合は1段違いの部分を橋で結ぶことができる。
建設する場所をドラッグして示すとそれに基づいて建設できる橋が表示される。これは、最高速度に合わせたものを建設して、渡る列車が減速しないようにする必要がある。

トンネルについても、橋梁同様に土地の高さが同じになっている正直方向のタイル間を、山となっている部分を貫いて直結する仕組みになっている。
トンネル部分は列車が通過中にどこを通っているのかが全く見えなくなる。その点での注意は、見た目上で当該列車を探せなくなるなどの他は特にないかもしれないが、橋もトンネルも、その区間には信号の設置ができない点にも留意が必要である。

橋梁もトンネルも、その区間についても線路の種類毎に異なっているので、隣接する線路の種類に応じたメニューから建設しなければならない。

信号

駅と駅間を結ぶ線路の建設が完了したら、そこに必要な信号を設置して列車を制御できるようにする。単線で1列車しか運行しない場合、その区間においては信号は不要であるが、複数の列車を運行し、駅で行き違いの仕組みを実現させたり複線で上下線方向別の線路にするためには、信号の設置が必要になる。
信号の種類は沢山表示されて最初のうちは迷うと思うが、基本的にはOpenTTD側でも推奨しているようにパス信号と一方通行パス信号だけで運用が可能となる。腕木式信号と多灯式の電気信号とがあるが、機能は一緒であって、設置する時代や線路の種類に応じて選べば良い。

パス信号の動きについては、他にも多くの解説があるので参照願うが、この信号の組み合わせだけで単線路線から複線以上の路線での制御がほぼ問題なくできるようになる。
パス信号の設置箇所の基本は、別ページ用に作成したこのPDFのとおり。
このほか、路線を支線に分岐する場合も単線区間へ合流する手前の箇所にパス信号を設置すべきと思っていたが、単線区間は基本的に閉塞区間であるので、合流点へ設置した場合、その方向への進行列車同士でお見合い状態になる場合がある。

信号の設置は設置したい信号を選択してから設置したい箇所のパネルをクリックする。信号の向きにより機能が異なるが、日本の状況に合わせて左側通行設定にしておくと、進行方向左の信号が機能することになる。信号の設置の向きを変えるには信号設置の際に再度クリックすると変わる。
信号はブルドーザーのアイコンで撤去することもできるし、違うタイプの信号へ変更するボタンもあって、種類を変更・更新することもでる。

ただ、このパス信号の仕組みも完璧ではなく、列車が単線区間の開始点付近で全ての線路が塞がって往来が不能になる状態に陥ることもある。
無論これは線路配線を再考することで解決は可能であるが、信号に全て頼れるかというと、パス信号も次の経路の確保に限界があるということである。

膠着状態になった場合は何れかの列車の進行方向を逆転させて一旦、その区間を開放して別の列車に経路を開けてやる必要がある。逆転させた列車も、運行経路設定に基づいて正規の経路に自動的に復帰する。
同じ場所で何度も同様のことが起こる場合は、線路配線や列車の運行数などを再考した方が良い。

運行と運用

車両と編成

路線で運行する車両は、当該路線を走行できるものである必要がある。当該路線上の車庫をクリックして新規購入を表示させると、走行させられないものは購入できないようになっているので、表示されるものから選べば良い。
各駅停車運行に、特急型車両を充てることももちろん可能で、出現する583系電車を昼行運用することも可能で、基本性能と収容数以外の差は無いが、なるべくなら現実の運用に即した車両を選択するほうが良い。
機関車の選定も、旅客用のものと貨物用のもの、貨客両方に使えるものとがあるので、なるべくこれに準じた選択をするのが良い。

編成の基本は、機関車・動力車・先頭車両をまず購入し、それに適当な両数の客車を購入して接続していく。電車や気動車では、一定両数でユニットを組むようになっているので、Japan SetのTrainsの場合先頭車両を購入した後Multiple Passenger CarまたはMail Carを必要とされる両数以上に購入して編成する。
走行する区間の駅のホーム以上の長さにはしないことが鉄則であろう。

なお、更にリフィットボタンで運送する貨物を変更(購入して改造)したり、塗装、デザインを変更できたりする場合もある。

経路構築

新規に購入した車両は車庫で運用停止状態になるので、この時に運行経路を設定する。運行経路は、当該車庫を起点として、最寄りの駅へ回送運行し、そこから運行路線上の目的地を指定していく。
各駅停車にするならば、終点駅を指定して、各停運行にするが、急行運用ならば停車駅を順に目的地として設定し、その間を直通運行にする。
運行はループするので、経路の最後は起点となった車庫を指定する必要がある。自分は、車庫への回送の直前の停車駅では全ての貨客を下ろす設定にしているがそうしなくても運用は可能である。

運行状態の監視

このような作業を終えて運行を開始したら、当初と、あとは時々、列車を追いかけながら表示して、問題なく運行できているか、貨客は順調に積み下ろしできているか、収益は得られているかということを確認すべきである。
新規設置の駅では、最初の一運行までは、貨客はゼロの状態で、1番列車が停車して過ぎていくことにより、少しずつ時間と共に貨客が増えていく仕組みである。

信号の所でも述べたが、運行を始めてから困ることの一つが、単線区間の前後の駅での膠着状態の発生である。パス信号にも限界があって、列車数が多いと発生することがしばしばある。
その場での解消方法は、何れかの列車を後退、方向転換させて占有状態をなくし空き経路を作ることしかない。

慢性的にそのような状況が発生するなら、列車数を減らすか、線路の状況を改善する。
線路の改善は、可能なら複線化が望ましい。複線区間では上下方向が決まっているのでお見合い状態になることはないはずだからである。
線路の状況でそれが難しい場合は、単線区間に至る手前に部分的にでも複線区間を設けておくと列車の往来がスムーズになり、発生しにくくなる。

列車数を減らす場合は、他の列車に貨客をその分譲ることになるので、残す列車の編成の両数を増やして対応することも考える。無論これは停車駅のホームがそれだけの長さがある場合に限る。

また、同じ経路を運行する列車の運転間隔が狭いと、後発の列車には十分に貨客が確保されずに赤字になりやすく、膠着状態発生の一因ともなる。
当初は確保していた運転間隔でも、停車時間の大小や、列車の最高速度の違いなどにより列車間隔は変わってくるので、こういうことがよく起こる。同じ車両・編成での運用にしていても発生するので、時々敷設した路線の状態監視で、間隔が詰まりすぎていたら一方の列車の運用を一時停止して、十分な間隔確保後に再開する。

収益の改善

OpenTTDでは、年が開けると前年の決算状況が自動的に表示され、収支を確認することができる。また、メッセージ表示で個別に赤字運用となった車両が警告表示される。資産が十分に有る場合は、小さな赤字は無視して地域の発展に貢献する考えも良いかも知れないが、健全な運用を行わなければ会社の評価にも影響する。

列車は貨客を運送して収入を得るが、運行にはコストも必要なので、それと相殺すると収支が黒字になったり赤字になったりするのである。

同じ区間・経路を運行する列車が一部だけ赤字になっている場合の最大要因は、前述もしたが列車の運転間隔が短く、先発の列車に全て貨客が積載されてしまっていることによるものであることが多い。
このような場合は、一方の列車を一旦入庫させるなどして待機させ、適度な間隔を確保して再度運行開始とする方法がある。これだけで翌年の収支が改善されることもある。
満遍なくどの列車も平均的に赤字になっている場合は、列車数が多すぎるという要因も考えられる。

車両の更新

車両はずっと使い続けられるものではない。車両により耐用年数は異なるが、永く使っても3、40年くらいである。老朽化した車両は新しいものに置き換えなければならない。その時点でまだ同じ車両を買い求めることが出来れば自動で更新されるが、もうその車両が購入できなくなっている場合には自動交換が失敗するので、手動で買い換えなければならない。(設定で、買い続けることが可能なようにもできる)

車両群をグループ化しておくと、更新すべき列車が見つけ出しやすく、そのウィンドウからの機器更新というメニューを使って、自動的に置き換えることができる。車庫に戻った時点で古い列車を売り、新しいのを買う。その差額を自動的に支払う仕組みになっている。
だがこれも、買い換え時点で同様の構成・編成ができない場合は失敗するので、この場合は本当に手作業で新たな列車編成を購入して経路をコピーするなどした後、古いほうの列車を売却することになる。

複線化・電化・改軌

営業を開始した後で線路の種類を変える、すなわち複線化や電化をしたり最高速度を引き上げた路線に変更したりする場合も考えられる。

この作業は、線路種類交換ツールを使うのが良い。
しかしながら、線路種類の交換は線路の設置や撤去と異なり、パネル単位で行う物であるので、そのパネルに敷かれている線路が全て変更されてしまう。他種の線路が交叉している箇所などは注意が必要で、こういう場合は一旦撤去して新たに敷設したほうが確実である。撤去と建設の費用は変わらないようだ。

このような作業は、営業列車の運行に影響を与えず手際よく作業ができる自信がある場合を除き、その路線を運行している列車を全て車庫に待避させたり、駅に停車した状態で運行停止をした状態で作業を行うべきである。
ただし、大規模な改修には時間もかかるので、その間、駅には列車が一つも来なくなることにより、乗客や貨物が減少したり、会社の評価が下がったりすることがある点も踏まえておく必要がある。

転用と廃線

産業鉄道では、産業の廃止に伴って輸送が成り立たなくなる場合がよくある。
この場合、貨物の運送ができないまま列車が空走している状態なので、コストばかりがかかって収益がなく、赤字状態に陥る。
産業拠点の閉鎖に気付いた場合は速やかに対処する必要がある。

対処は、その列車が積み荷待ちの状態で膠着している場合は、経路設定で全ての荷物を積み込まなくても発車できるようにする。こうすることで、最終荷物の運送を始めるようになる。
最終荷物の運送が終了したら列車は車庫に回送し、売却する。

残った路線は、今後同じ場所や付近に産業拠点があって転用ができない場合は駅を撤去して廃線にする。
付近の都市に延伸するなどして旅客用に転用したりできそうであれば、そのようにする。これは、線路の種類を変更したり産業路線の線路をそのまま活用したりして、旅客列車の運用に適した鉄道に改修するわけである。