ノートPCに求める機能とCTO

ノートPCに求める機能とCTO

ノートPCはCTOで

かつて大きく重いデスクトップ機を好んで使っていたが、スペースのことや移動のこと、使わなくなったときの保管や廃棄のことなどを考えて、それ以来ずっとメインのPCでもノート型機を使うようにしている。ただし、自分で選んだディスプレイやキーボードを取り付け、置き方を工夫するとデスクトップ用途で使えることも知り、そういう形で使っているので本体キーボードや本体モニターは実はあまり使わない。
PCの使い方は人それぞれだと思うが、自分の場合、YouTube他ネットの動画閲覧も含めて最近ではWebの閲覧がメインである。ゲームなどでの重たい処理を必要とすることはほとんど無い。だが一眼レフカメラで撮影したRAWデータの現像処理などはファンの回転が高まっている状態がしばらく続くので、そういう程度の処理能力は時々必要とする。

8年前、Windows Vistaがリリースされたのと同時にVAIO Type Sを使うようになったことで、その後のノートPCに求める機能はそれが基準になっている。8年も経過した今となってはだいぶ調子が悪くなって既にほとんど使うことはないが、これは良い選択だった。
そういう基準で考えると、一般的な市販モデルではそれに該当するものを探すのは困難で、CTOによることができなければ、好みを満たすことができない。

CPUとメモリ

たとえばCPUとメモリは、その時点、その機種で選べる最上位のもの、最大容量を選びたい。PCの寿命が4年ないし5年程度として、その期間を経過した時点でもなお問題なく、そのときの環境においても高速に処理が行えているようにしたいと思った。その頃までは、数年経てばスペックの標準がかなり様変わりしていたが、今に至ってはそういう進化の速度は少し緩んできているようにも感じるが。
この考えはだいたい大きく間違いでは無かったと感じているが、メモリの最大容量は8年前のVAIOでは2GBであったので、さすがに数年経つと処理に支障が出てきていた。
今はWindows 7で8GBの環境であるが、自分の使い方でメモリの占有量の推移を見ていると4GBを超えることはまずない。すなわち最低4GBが必要で、6GB以上あれば特に支障は無いと感じている。

ストレージ

ストレージに関しては、デスクトップ的な用途で基本的にデータは外付けのHDDなどには関することにしているため、特に大容量は必要としない。OSと、インストールするプログラムの領域が確保されてそれが問題なく動作するような空き状態さえあれば、ほとんど問題が無い。今のメイン機はSSDで256GBの容量があるが、1/4程度しか使っていない。 今の最新のWindows 8.1でも、だいたい同様の使用量になると思われるが、64GBではかなり心許ないので128GB以上あればほぼ問題が無いだろう。
それより重要なのは読み書きの速度であるが、これはやはり圧倒的にSSDが良い。今の自分の環境では更にRAIDが組まれているようなので相当に高速であるが、そこまでは求めないにしても、やはりSSDを一度使ってしまうとメインストレージとしてはHDDには戻りたくないと思ってしまう。

ディスプレイ

ディスプレイの大きさは、無論実際に使うときには20インチ以上の大きさがあると良いのだが、それをノートPCに求めるのは現実的ではなく、すなわちそれでデスクトップ的に外付けモニターを使っているわけでもある。
そうすることが最初から決まっているのであるから、本体のディスプレイがどうかという所については重要度が下がるのだが、本体だけで使用することもないわけではないので多少の好みを加えると、まず大きさはあまり大きすぎないのが良い。
これは、本体そのものの大きさにも関係してくるがType Sの13.3インチの画面サイズ、本体の大きさがとにかく丁度良いと感じた。大きすぎず、小さすぎないからだ。従って、サイズとしては13~14インチ程度が自分としてのベストである。
解像度についても外付けモニターでFHDが確保できれば十分であるとして、本体のその大きさの画面サイズで言えば、多分1600×900程度が限界かと思う。1366×768では少し物足りなく、逆にFHDになってしまうと文字などが細かすぎて自分には使いづらいと思うのである。

キーボード

キーボードについても、基本的に外付けでRealforceなど好みのものを使うことになるわけだが、本体のを使うことも全く必要がないわけではないので考えると、配列はUS-ASCII配列が良い。これは、かなり譲れない部分であったのだが、今のメイン機購入時にはVAIOのCTOでも選べなくなってしまって、実はJIS配列なのである。レジストリでUS配列にして、外付けでUSキーボードを使っているが、本体を使うときもJIS配列なのに実際はUS配列である。
キーピッチは19mm程度は欲しい。AOUR配列だろうが何だろうが、それより小さいと打鍵しづらい。このピッチは上下方向のピッチについても確保して欲しい。キータッチなどは、ノートPCのそれにリアフォ並を求めるわけにも行かないので、あとはあまり変な配列や不要なキーが無ければそれで良いと思っている。
余談ながら、自分はアプリケーションの起動のためのホットキーとしてWindowsキーは使うのでWindowsキーは必要と思っている方であるし、それ以上にCtrlキーはAの横の位置でないと使えないので、そこはレジストリで変更したりすることにしている。

指紋センサーと有線LAN

主な機能の要件についてはだいたい以上なのであるが、それ以外でも、たとえば指紋認証のセンサーは付いていて欲しい。ログインする時に使うのだが、これはパスワード入力より便利だし、多分幾分セキュリティも高い。ノートPCとしてのセキュリティのことを考えると、TPMの搭載の有無も少し考えても良いかもしれない。
無線LANは、今では11acの規格に対応していて欲しい。有線LANをメインで使うが、持ち運んで別の場所で使うこともあり、そういう場合には無線で接続する。自宅のルータは11ac環境なので、やはりそれを使いたい。

そうだ。ギガビットの有線LANポートは必須である。
いくら無線が高速とは言っても、安定度その他の関係で有線LANの優位性はまだ十分にあるし、その環境は確保したい。最新のVAIOでは、本体から有線LANポートが消えてしまい、有線で接続するには相性が怪しいUSB接続の有線デバイスか、純正としてはACアダプタに同梱された有線を無線に変換する仕組みを使わなければならないが、後者は結局最終的に無線接続になる。決定的にこの部分で今後VAIOは選択しづらくなってしまっている。

モニター出力の規格

外付けのモニターを使うとして、VGA接続でも問題は無いがデジタル的な手段での接続がしたいとも思う。今の環境ではHDMIなのだが、これは最新のPCでもHDMIの出力を備えたPCは少ないようだ。ディスプレイポートやDVIなどでも良いが、最低限VGA出力があればまあよしとすべきか。

USBポートの規格と数

USBのポートについては、本体に3つは欲しい。外付けのキーボードとマウスについてはハブで分けて一つのポートを使うとしても、外付けのポータブルHDDを使うときに給電が必要なので、本体直結のポートを一つ占有することになる。さらにもう一つ空きがないとそれ以上のバスパワー機器を接続して駆動できなくなる。たとえば、外付けのポータブルDVDドライブに外付けのHDDのデータを書き込む作業をする時などはそれだけで二つの給電可能なUSBポートが必要になるわけである。USBバスパワーで駆動する機器は結構ある。そういうドライブ類の他にもスキャナなどがそうだ。USB接続のアクティブスピーカーもそれだろう。あまり使わないがUSB扇風機やライトなどのアクセサリ機器もそうで、希にUSBメモリでもハブ経由だと読み取りができないものもあった。
規格としては今ならすべてUSB3.0に対応していてほしいが、この点はだいたいどのPCでも問題は無いだろう。

光学ドライブとスピーカー

光学メディアのドライブは、今となっては本体に備えていなくても多分問題ない。これも外付けのドライブで対応できるからである。一太郎など市販ソフトウエアや機器のドライバのインストールのため、BDコンテンツを見るためなどに光学ドライブは必要であるが、使用頻度は高くないのである。

スピーカーも外付けのものを使うがUSBからではなく、アナログで、ヘッドホンのジャックからの音声出力を使う。ヘッドホンのジャックがないPCは多分ないと思うので、そこは特にどうこう言わなくても良い部分なのではないかと思っている。
スピーカーは最低限、必ず本体に備わっているし、今では外付けのモニターにも付いているのが普通である。しかしながら、特別、音にこだわりがあるというレベルではないが、これらのスピーカーでは全く物足りない。ある程度の大きさのモニターが必要で外付けを使うのと同様に、音声に関してもある程度ちゃんとしたスピーカーが欲しいと思う。

ドックとかポトリとか

そういう、周辺機器との接続ということになると、通常使っているだけのものでもマウス、キーボードとモニター、アクティブスピーカーがあり、それを本体の各ポートに取り付けていることになる。そのほか、ACアダプタのケーブルもあるし、セキュリティケーブルもある。無論、有線LANのケーブルもある。
通常設置してデスクトップ的に使っている場所から移動させたりまた戻したりする時はその取り付け取り外し作業は結構大変だ。
こういう状況の救世主となるのがドックとかポートリプリケータとか言われるもので、そういう拡張機器や電源、モニター出力の接続のポートが全て集約されていて、PC本体をその上に乗せるだけで本体背面のコネクタ部を通じて一気にそれら機器を接続してくれてしまう。本体ポートと排他のものもあるが、たいていはノートPCのポートを拡張して、更に「デスクトップユース」を援助してくる優れものの周辺機器であって、多分今現在よりもノートPCの黎明期のほうがよく使われていたのかもしれない。

自分は今のメイン機を購入したときに一緒に入手して使っているが、これも自分の使い方においては既に無くてはならない機器になっている。
このドックやポトリがきちんと備わっているPCというのもかなり限られる。今の最新のVAIOではもうそういう機器は無い。純正品ではないもので、USB接続により同様の機能を提供してくれるものがあるようなのだが、専用のポートではなくUSBで接続するというだけで不安だし純正品ではなく、ドライバのようなもののインストールも必要だと思うので更に不安である。純正品で最初からハードウエア的に対応しているものでないと安心できない。

必要の無いもの

逆に、多くのノートPCに機能として備わることも多いようなもので自分としては無くてもいいと思うのは光学ドライブの他にはカメラだろう。ビデオチャットなどをするのでもなければ特に必要ないし、デスクトップ用途ではPC本体を置く位置の関係で、ディスプレイの上部にあるとむしろ使えず、必要なら外付けのWebカメラを使ったほうが良いと思うからである。キーの照明なども、これも自分はキーの配列などが感覚的にわかっているし見えないほど暗いところで作業することもほとんど考えられないのであまり必要はないように思う。

ソフトウエアに関しても、自宅で使用する用途ならMS Officeは必要としない。国内メーカーのPCなら製品の付加価値としてセキュリティソフトやはがき作成ソフト、その他マルチメディア関係や絶対に使わないと思うようなものまで最初からインストールされていて、使い始めるときに使わないもののアンインストールを行うというような作業まで必要だったりする。それが有り難いと思う人も少なくないのかもしれないが、自分は必要ならたいていのソフトウエアは、自分で好みのものを選んで購入したりするので、特にそういうソフトは必要がない。

Windowsのエディション

そもそも、OSのWindowsのエディションに関してもどれを選ぶかという好みがある。市販PC製品なら特定のエディションに決まっていて、必要なら後で自分でアップグレード・ダウングレードをする必要があるが、これもCTOなら最初から選択ができる。
自分はWindows Vistaの時は、当初Home Premiumだったが、物足りない機能があって後で自分でアップグレードしてUltimateにした、他にBusinessにしたものもある。Windows 7ではProfessionalである。Windows 8では無印でも良さそうな気もしつつ、自宅使用でもビジネス志向でProを選びたい。

やはり今後もCTO

ハード的な部分もソフトウエアの部分も、セットが固定されている市販品のPCなら変更することはできないが、CTOという仕組みなら多くの部分で自分の使いたい実態に合わせることができるようになる。
かつて、PCを自作した時に自分の都合の良いハード構成を選んだが、それと似たようなことが今はCTOという仕組みで可能になっている。しかもメーカーの純正だから、相性の問題も基本的には生じない。
そういうわけで、自分はおそらく今後もPCを購入する時にはCTOによることになる。

国内メーカーの製品では、かつてはSONY時代のVAIOが比較的柔軟にそういうCTOによるカスタマイズができていたのだが、今は上記のとおりそれができる項目も少なくなって自分の好みに組み上げることができないようなのだ。他の国内有力メーカーも、Webの直販店で多少そういうのができる場合もあるが、基本的には最初からセットになったものがほとんどで選ぶには至らない状態になっているのは残念であると思う。