好みのキーボード2014

好みのキーボード2014

以前同じタイトルで、2009年、2010年頃にキーボードの好みについて書いたことがあったが、読み返すと多少好みも違っているようなので、改めて書いてみることにした。

テンキーレスという形状

基本的にテンキーレスが好きである。フルキーボードも嫌いという程ではないが、ここ数年使っていない。好んでテンキーレスばかりを選んでいる。
テンキーがついていると、両手を置くホームポジションの位置から考えてテンキーのある場所の更にその右にマウスを置くことになるのでバランスが悪いというのが最大の理由だ。

今はテンキーレスキーボードの右側に、独立したテンキーを置いて左手でテンキーを打鍵するようにしているが、実はこれもそんなに慣れていない。通常はメインキーの上段の数字キーを使うが、これもミスタイプが多い。数字はブラインドタッチができないのだ。ミスタイプが多いのは、次に書くがキーボードの刻印とも関係している。

黒色系

キーボードの色は、基本的には黒色系が好きである。PCやモニター等の機材がだいたい黒色系なので、それとマッチするというところが大きい。変色が目立ちにくいというのもあるし、使っていて落ち着くのである。
一方、初期の頃のパソコンで一般的な白色系も、懐かしさという点では悪くない。むしろ白色系のキーボードのほうが仕事をしているぞという気持ちになりやすい。今でも業務用のコンピュータのキーボードは基本的に白色系のものが多いという気もする。
従って、会社で使うような仕事用のキーボードとしては白色系のが向いていて、自宅などで主に趣味に使うようなパソコンのキーボードは黒色系が良いという思いである。

刻印

ブラインドタッチができるということを前提にすると、アルファベットの刻印は全く無くても平気である。しかしながら、数字やその他記号については完全に覚えていないところがあり、それを考えると全くないのも少々困る。
従って、無刻印キーボードでは少し不安で、目立たないように一応刻印はあるという程度のが良い。小さめ、控えめに刻印があるとか、キートップではなくキー前面に小さくしてあるとか、あるいは黒色キーボードに黒色の刻印というように目立たないのが好みである。
最近では、日本語キーボードでもかなの刻印が無いものもあり、好感が持てる。

ASCII配列

キーボードの配列は、いわゆる英語配列、US ASCII配列、英語キーボードが良い。キーの配列全体のバランスが良い。記号も打鍵しやすい配置になっているし、スペースキーが大きいのも日本語変換操作が楽だ。英語配列は、日本語を前提にしないのでかなの刻印もなく、更にそれが見映えのスマートさを演出しているように感じる。
JISキーボードと比較して足りないキーがあるが、かな入力を使わなければほぼ全く問題がない。

入力方式にも関係

キーの刻印と配列は、使っている日本語の入力方式にも関係してくる。かな入力を使う人はJISキーボードでなければ扱いづらいだろう。ローマ字入力や、アルファベットをベースにした自分のAOUR配列のような方式を使っているならば、少なくともかなの刻印は無関係なので不要であり、また、英語キーボードであってもこれらの入力方式ならほぼ支障はない。

Ctrlキーの位置

【Ctrl】キーは、その昔PC-98を使っていた流れもあるが、アルファベットの【A】の横がCtrlでなけらばならないタイプである。ホームポジションから小指伸ばし位置で打鍵するのがとにかく都合が良い。

同じ好みの人は極めて多いようで、あるいは他のOSではその位置がデフォルトであるようなものもあるのか、最初からそこが【Ctrl】になっていたりディップスイッチで切り替えることができるキーボードもある。
そうでないキーボードを使うときも、レジストリを変更して割当を最初から変えてしまう(【Caps】と入れ替える)ようにしている。
【Ctrl】キーはデフォルトでは左下にあり、人によってはこれでも打鍵に支障はないという。あるいは、この位置でなければならないという人も多い。デフォルトがそうなのだから、変えない方が良いというのも一理ある。
なお、右の【Ctrl】キーは、デフォルトの位置で良い。

要、Winキー

キーボードの要らないキーとして名高い【Windows】キーであるが、自分は実は使うので欲しいほうの派閥である。少数派なのかもしれない。
【Windows】キーを要らないという人は、ゲームなどで誤って打鍵するとか、そもそも無い環境で使ってきたためなどという理由が多いのだと思う。
そういう意味では自分も無い時代を経ているのだが、常駐させているアプリケーションの起動キーなどよく使うコマンドに割り当てているものがあり、無いと不便なのである。ゲームもほぼしないので、あっても支障はない。
ただし、右の【Windows】キーは多分使わないので無くても良い。

ESCキーはデフォルトの位置

かつては、【ESC】キーも手元(ホームポジション)に近い方が良いので数字の【1】の横にあったほうが良いと思っていたが、今はデフォルトの位置でも良いと思っている。少し遠い位置にあるが、気になるほど使用頻度が高くないからである。

カーソルキーの形状

カーソルキーはダイヤモンド型ではなく、逆T字型が良い。標準的なキーボードではそうなっているが、かつてのPC-98のキーボードではダイヤモンド型の配置だった。

ファンクションキー

【F1】~【F12】までのファンクションキーは、4つずつ区切られて、そのまとまりの間が少し空いている標準的な配列が好みである。

状態表示のLED

NumLockとCapsLockの状態表示はできればあったほうが良い。LEDの色は何色でも構わないが、あまり目立ちすぎない程度に光るのが良い。

キーピッチ

キーとキーとの間隔はおそらく19mmが標準だと思うが、これもそれより狭くない、その標準的なサイズが一番良い。一部のキーボードでは19mmは確保しながら、縦方向のピッチがそれより狭いという場合もある。これもまた打鍵しにくく、ピッチは縦も横も19mmであるものを選びたい。

キースイッチ

打鍵感に大きく影響する機構として、キースイッチはどのようなものが良いかというと、メンブレンの一般的な物よりは打鍵音と打鍵の感覚、耐久性・堅牢製からしてメカニカルなスイッチや静電容量無接点のスイッチが良い。

メカニカルのスイッチではCherry社の軸を使ったものが有名だが、黒軸、茶軸、赤軸、青軸と打鍵して比較した限りにおいては、比較的軽い感じで直線的に押下できる赤軸が一番好みである。このスイッチを搭載したキーボードでは特にスムーズに気持ちよく打鍵ができる。
黒軸は、同じ感覚でももう少し重く、茶軸は赤軸と同程度に軽くさらに軽いクリック感がある。青軸はクリック感に加えて接点に達した時にカチッと大きな音がするので、周りの人がいる環境ではうるさがられる可能性が一番高い気がした。

静電容量無接点は、東プレのものということになるが、製品としてもHHKBかRealforceしか無いと思う。この二つを比較するとHHKBのほうが少し打鍵感が重いと感じる。しかしながら、いずれも派手な打鍵音は無く「真面目な」感じの打鍵ができるというところが特徴だと思っている。

具体的な製品

AOUR配列を色々考えて使い始める少し前、2005年頃からキーボードにも凝り始め、各種のキーボードを使っているが、一番の好みはRealforceである。テンキーレスのASCII配列、黒色のキーボードを使っている。すなわち、上記の好みの項目をほとんど全部満たしている。逆に、このキーボードに合わせて好みが形成されたと言っても良い。

これまでは、HHKBも使ったし、FILCOの茶軸、黒軸、赤軸も使った。今でもたまに切り替えて一時的にそれらを使う事はあるが、しばらく使ってRealforceに戻し、Realforceを使い続ける期間が最も長くなってしまうところをみると、やはり一番の好みがRealforceなのだろうと思う。
通常ノートパソコンを使うのであるが、それでもRealforceである。

会社のパソコンは、それらキーボードは持ち込まず、ノートパソコン本体のキーボードで我慢している。
こちらは一般的なJIS配列で、パンタグラフ機構のものであるが、キーストロークの深さがそれなりにあるからなのか、実際それでも特に問題は感じずに打鍵で苛々することは無い。常に同じキーボードをどの環境でも使う事ができるのが理想なのだろうが、パソコンが買わればキーボードの環境も変わり、比較が出来たりするのも悪くはないと思っている。